大企業の社員とその家族が加入する1394の健康保険組合の2017年度決算で、赤字となった組合の割合が前年度の38.7%から増え、40%超に達する見通しであることが15日、分かった。
全体の黒字額は前年度から約1000億円減り、1300億円強となることも判明。高齢者医療制度への拠出金負担が大幅に伸びているためとみられ、制度見直しを求める声が改めて高まりそうだ。
1394組合の平均保険料率も前年度から上昇して9.2%弱となり、過去最高を更新する見込み。中小企業社員らで構成し、国の補助金を受ける「協会けんぽ」の平均保険料率は10%で、
これを超えると自前で健保組合を運営する必要が薄れ、解散の可能性が高まる。健康保険組合連合会(健保連)は25日、17年度決算を発表する。
65歳以上の高齢者の医療は、健保組合などが拠出金を出して支えている。健保連の試算では、25年度には健保組合加入者に対する医療費などの支出よりも、拠出金の額が上回る。
高齢者医療費の伸びに伴い、現役世代が負担する保険料は上昇の一途をたどっている。今年に入り、健保組合では解散の動きが相次いでおり、
9月中には約51万人が加入する全国最大規模の「人材派遣健康保険組合」が解散の是非を判断する見通し。解散すれば加入者は協会けんぽに移行し、国の補助金も増加するとみられる。
現役世代の負担軽減に向け、健保連や協会けんぽを運営する全国健康保険協会は5月、経団連や日本商工会議所、連合と合同で、
75歳以上の後期高齢者の窓口負担を現在の1割から原則2割に引き上げるよう、政府に意見書を提出した。ただ、19年には統一地方選や参院選が控えており、政府は抜本的な見直しには及び腰だ。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180916-00000008-jij-pol
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