面会室の仕切りこじ開け…逃走の経緯
12日、大阪・富田林署の留置場から男が逃走した事件。
13日も大勢の捜査員が捜索しているものの、いまだ発見には至っていない。
“前代未聞の大失態“は何故起きてしまったのだろうか。逃走を続けているのは、窃盗や強盗致傷のほか強制性交の罪でも起訴されていた住所不定・無職の樋田淳也容疑者(30)。
樋田容疑者は12日午後7時32分から、富田林署2階にある留置場内の面会室で弁護士と接見。
弁護士によると、接見は午後8時ごろに終了したという。本来、警察はいつ接見が終了したか確認しなくてはならないが、弁護士から終了の合図や連絡がなかったため接見が終了したことに気付かず、1時間半ほど経った午後9時44分になってようやく逃走が発覚したという。
面会室で1人になった樋田容疑者は、面会者との間を隔てるアクリル板を押し倒して隙間をすり抜け、面会室から逃走したとみられ、逃走後確認したところ、アクリル板の端が10センチほど開いていたという。
通常、家族などと面会する際には室内に警察官が立ち会うが、弁護士との接見の際には警察官は立ち会わない決まりになっており、更に、富田林署では通常勤務の場合、部屋の外に警察官がついているものの、当日は土日勤務ということで誰もいなかったという。
アクリル板をすり抜け、面会室に入った樋田容疑者。
隣の前室につながるドアは開けるとブザーが鳴る仕組みになっているものの、富田林署では接見終了時に弁護士が署員に知らせることが多いため、不要と判断しブザーを鳴らす装置の電池を抜いていたのだという。専門家「まさかの出来事」
容疑者が面会室の仕切りを押し開けられたことや、ブザーの電池が抜かれていたことなど、警察の管理体制の甘さが浮き彫りとなった前代未聞の逃走劇。
元警視庁捜査1課理事官・大峯泰廣氏はこの管理体制についてこう語る。――面会室のアクリル板は簡単に動かせるもの?
アクリル板は通常、手で押し上げたり足で蹴飛ばしたり、体当たりしても壊れるものではありません。
経年劣化による破損があったのかもしれません。――ブザーの電池がなかった点について…
電池を抜いていたというのは言語道断です。
弁護士との接見には立会人がいませんから、いつ終わったかわかりません。
弁護士が知らせてくれる、という期待感を持って構えていたのではだめなんです。警視庁の場合はブザーじゃなくて、赤色の点滅するランプを留置場内に1か所、
それから「留置事務室」という事務所に1か所設置して、ドアが開いたときに接見が終わったということを知らせます。――それはブザーよりもそのほうが皆が知りやすいという意味?
これは「ピーピー」という小さな音がする必要もあるんですけれど、
留置場内では留置人が就寝していますから、起こさないようにするために音を出さないんですね。
ランプの赤色の点滅で、接見が終わった、弁護士が出ていった、ということを知らせるという形です。――逃走が発覚したのは午後9時過ぎだが、付近の住民にこの事態をメールで知らせたのは翌朝の6時28分。あまりにも遅いのではないか?
逃げた容疑者自体が非常に凶悪な犯罪を犯していると。そういう凶悪犯が逃げたにもかかわらず、近所の人間に通報しなかった。お知らせしなかった。これは、やっぱり警察の失態でしょうね。
――地域住民への知らせの遅れ・ドアの電池を抜いていた・アクリル板が経年劣化していた事などは、全国どこでも起きうる?大阪府警特有の状況?
これは、まさかの出来事だったと思います。
アクリル板が壊れたということ自体がまさかの出来事ですから、どこの署でも起こり得る可能性はあります。
対策を講じていかなければいけないですね。全国で対応すべき問題だと思います。――逃走経路すらわかっていない。接見室には防犯カメラはない?
ないんです。
接見室には弁護士接見というのがありますから、録画も監視もできないんです。
警察署にはありますが、接見室にはそういうカメラは設置してありません。――署内に設置されている防犯カメラに逃走経路が映っている可能性は?
ありますね。
逃走からまもなく丸1日…全国指名手配へ
樋田容疑者の特徴は・身長163センチで中肉中背
・黒の長袖ジャージーに灰色のスウェット
・左二の腕に手術の痕がある
・左ふくらはぎに動物の入れ墨があるだという。
また、面会室の隣の前室から留置場の係員が履いていた白いスニーカーがなくなっており、逃走の際に盗んだ可能性がある。大阪府警は加重逃走容疑で樋田容疑者を全国指名手配し、3000人態勢で捜索しており、一刻も早い確保が待たれる。
(「プライムニュース イブニング」)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180813-00010007-fnnprimev-soci
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