公の場での発言は地震発生から4時間道内で初めて最大震度7を観測し、死者が41人に上った胆振東部地震では、災害対策本部を設置して全道の司令塔となった道の対応が問われた。
関係機関とともに連日200人規模で情報収集に当たり、災害対策に奔走したが、本部長の高橋はるみ知事の初動や情報発信などについては課題を残した。
6日午前3時7分、胆振東部地震が発生すると、札幌市中央区の道庁本庁舎に、徒歩やタクシーを使って職員が次々と駆け込んだ。
道は同9分に災害対策本部を設置。庁舎内は非常用電源で明かりをともし、4時前には地下1階の危機管理センターに指揮室を移した。当初は泊まり込みの当直職員2人だけだったが、そのころには100人以上に膨らみ、情報収集に追われた。
「地方自治体と緊密に連携し、政府一体となって応急対策に全力で取り組む」。3時55分、首相官邸で緊急記者会見を開いた菅義偉官房長官の姿が、テレビに映し出された。
5時55分には、安倍晋三首相が官邸入りし、ロビーで災害対応への決意を表明した。札幌市は6時から災害対策本部会議を開き、秋元克広市長が被害の把握や関係機関との連携を呼び掛けた。
知事が道庁に姿を見せたのは6時20分。それまで庁舎から約1キロ離れた公邸で、幹部職員に電話で指示を出していた。
道政トップとして公の場で肉声を発したのは、7時から開いた災害対策本部会議が初めて。開始予定は8時から1時間前倒ししたが、既に地震発生から4時間ほど過ぎていた。
登庁まで知事とやりとりした橋本彰人・道危機管理監は「指揮命令に支障はなかった」と話す。だが危機管理の専門誌「リスク対策ドットコム」の中沢幸介主筆は「住民が不安に陥る中、誤った判断や動揺をさせないよう、早急に道標を示すのはリーダーの大切な役割だ」と指摘する。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180924-00010000-doshin-hok
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