タンチョウが営巣する特別保護地区【鶴居】国の特別天然記念物タンチョウが営巣する釧路湿原国立公園の特別保護地区などで、国の許可を得ずに木道などの違法工作物が設置されていたことが明らかになった15日、地元観光ガイドや観光関係者からは「許せない」「だれが何のために」など、怒りや困惑の声が相次いだ。
木道や木橋が8カ所で見つかる
「自然保護と観光活用の両立を長年目指してきた地元の努力に水を差す行為。目的が何であれ、考えられないことだ」。NPO法人美しい村・鶴居村観光協会の和田正宏理事長(62)は憤りをあらわにした。
現場は湿原北西部、雪裡川周辺の国有地。木の板と鉄パイプ、針金を組み合わせて造った木道や木橋が8カ所で見つかった。周囲にはタンチョウの営巣地が点在し、ヨシ・スゲ湿原やハンノキ林など釧路湿原本来の自然景観が残されている。
「あれだけの工作物は見たことがない」
村へ向かう道道から数キロ離れた湿原深部で、地元住民も「人が立ち入るような場所ではない」と困惑。約20年間湿原でガイドを務める村内在住の写真家安藤誠さん(54)は「あれだけの工作物は見たことがない」と驚く一方、「人が立ち入らない場所だからこそ起こった事案。これを機に湿原保護のための規制・監視の仕組みを再考してほしい」と警鐘を鳴らす。
原状回復の見通しは立っていない
大石正行村長は「貴重な動植物を守るためにも、一日も早く適正な状態に戻したい」。村は今後、環境省や河川管理者の国交省などと情報を共有し、対策を検討する方針だが、人の背丈ほどの植物が繁茂する夏季に現場に近づくのは困難との見方もあり、原状回復の見通しは立っていない。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180816-00010002-doshin-hok
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