6日に刑が執行されたオウム真理教の松本智津夫元死刑囚(63)=教祖名麻原彰晃=の三女で、アーチャリーこと松本麗華(りか)さん(35)が9日、自身のブログを更新。
父親とは逮捕から23年間言葉を交わせなかった無念の思いと、遺体、遺骨の引き渡しを巡る自身の思いを記した。
刑の執行から3日。「いま家族としてお願いしたいこと―死刑執行後の一連の動きと報道をめぐって」と題したエントリーで、まずは「オウム真理教による一連の事件の被害に遭われた方に対し、心よりご冥福をお祈りし、また謹んでお見舞いを申し上げます」と被害者への思いをつづった麗華さん。元死刑囚の父とは逮捕されてから23年間、一言も会話ができなかったという。
さらに、面会ができなくなってからも、10年以上毎月一回は面会を申し込み続けたがかなわず「事件を起こしたなら、それはなぜなのか。被害に遭われた方に対して心は痛まないのかなど、聞きたいことがたくさんありました。家族のこと、自分自身のこと、父を批判すべきこと、私がなしえたかもしれないことも含めて、話したいこともたくさんありました」と、やりきれなさを言葉にした。
「それでも、父は逝きました。ご批判を受けるかもしれませんが今はただ、家族だけで父の死を悼みたいと願っております」とし、続けて記したのが遺体、遺骨の引き渡しについてだった。
当初、元死刑囚が遺体の引き渡し先を四女に指定したと報じられたが、麗華さんはこれを疑問視した。元死刑囚が心神喪失の状態にあったこと、拘置所の職員と意思疎通ができていなかったことなどを挙げ、「作られた話ではないかと感じております」と指摘。また、四女が昨年11月の会見で「父親のことを私は、今も昔もほとんど父親だとは思えません」と話していたことを振り返り「四女(ブログでは名前)自身の立場や心情を考えても、今回の残る『指定』には疑問が残ります。また母は、四女(同)を含めて、家族みなで父の死を悼むことを願っています」とした。四女側は当面、拘置所で保管してほしいとの意向を示しているという。
また、刑執行翌日の7日に「母、長男、二男、二女、三女5人の家族は父の遺体と短い時間、面会をして参りました」とも明かした。
その後もう一度対面がかない、その際、東京拘置所側に、遺骨が欲しいこと、だめなら分骨を要望したものの、指定人の存在などを理由に「遺骨は拘置所で預からせて欲しい」
と回答されたという。そしてこの日9日には「私たちが四女への遺体の引き渡しに同意したとされていること」「家族全員が父の遺体の火葬に同意したということ」
などが報じられ「事実とのあまりの違いに驚きました」。元死刑囚の遺体や遺骨に関しての拘置所の刑務官の返答が「二転三転していた」ことなども指摘し
「家族として、執行後現在にいたるまでの経緯について、正確な情報公開を切に願っています」と訴えた。
元死刑囚の遺骨が後継団体の布教に利用されたり、神格化される懸念もある中「父を宗教的・政治的に利用することは娘として決してできませんし、万が一、その動きがあったとしても家族が決して利用させないことをお約束します」と断言も。
「また、わたしは以前から申し上げている通り、オウム真理教から派生したいかなる団体とも関係しておらず、派生団体には解散をしてもらいたいと考えていることを、あわせてお伝えいたします」と続けた。
妻側は遺体の速やかな引き渡しを求める要求書を7日付で上川陽子法相に提出。要求書では、松本元死刑囚との意思疎通は困難で、
「特定の人を指定することはあり得ない」と主張している。法務省は対応を検討しているが、火葬については家族の同意が得られたという。規定では、遺体の引き渡し先は、死刑囚が事前に指定した人が優先される。
松本元死刑囚は元教団幹部の妻との間に2男4女がいる。四女は昨年11月、両親と縁を切る目的で、自分の相続人から両親を除くよう横浜家裁に申し立て、認められたとして、東京都内で記者会見。「家族や元信者とも連絡を取っていない」と強調していた。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180709-00000140-spnannex-soci
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