佐賀県の山口祥義知事がオスプレイ配備計画の受け入れを表明した24日、県内には理解を示す意見がある一方、事故を不安視する声も広がった。漁業への影響に対する懸念や安全性への疑問が払しょくされていない中、さまざまな注文も聞かれた。
■目達原のそばで
陸上自衛隊目達原駐屯地近くで認定こども園を運営する牛島京子さん(72)=三養基郡上峰町=は「国や県が決めたことは受け入れるしかない」とした上で、「最も大切なのは命を守ること。簡単に『事故はない』と言うのでなく、覚悟を持って運用してほしい」と注文する。
ヘリコプターの移駐が実現すれば隊員の異動も伴う。「子どもたちは親以上に大変」と心配し、「影響が少しでも小さければいいけれど」と、国などの配慮を望んだ。
■ヘリ墜落現場で
今年2月に陸自ヘリが墜落した神埼市千代田町の事故現場で区長を務める樋口邦敏さん(68)は、配備計画の受け入れについて「目の前で事故を見た者として、個人的にいい気持ちはしない」と吐露する。
米軍オスプレイで事故やトラブルが頻発していることに触れながら、「(陸自ヘリが墜落した)あのような事故は二度と起きてほしくない。目の前で起きたからこそ、特にそういう思いは強い」と切実な心情を口にした。
■演習場の近くで
オスプレイを巡っては大野原演習場(嬉野市、長崎県東彼杵町)での部隊訓練が想定されている。近くの茶農家の男性(58)=嬉野町岩屋川内=は「米軍のオスプレイは散々、県外で事故を起こしてきた。この辺りは高齢者が多く、騒音も気になる」と不安げだ。
演習場はうれしの茶の産地でもある東彼杵町と隣接しており「佐賀県が受け入れたことを、長崎県の茶農家はどう思うだろうか」と心配した。
■経済団体
計画受け入れを求めてきた県商工会議所連合会の井田出海会長は「一歩前進したことは喜ばしい」と話した。
会員企業を対象に2016年に実施したアンケートでは、災害時や離島防衛を理由に約7割がオスプレイ配備を「必要」と回答していた。「人口減の抑制や地域浮揚を期待する声も多い」とした上で「今後は安全の問題はもちろん、有明海の環境保全、漁業者への影響は納得いくまで調査をしてほしい」と注文した。
■自衛隊関係者
佐賀県自衛隊家族会理事の古里昭彦さん(64)=唐津市呼子町=は「自衛隊は災害救助隊であり国境警備隊。オスプレイを含めて(佐賀に自衛隊の)拠点ができれば県民の安全につながる」と歓迎する。
佐賀空港は県営だが、唐津からは離れており「住民は恩恵を受けていない」と指摘する。「今回の配備で国から使用料が入るようになれば、空港に注がれる県民の税金が減る」と前向きに捉えた。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180825-03264662-saga-l41
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