カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法は20日夜の参院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。
これに先立ち、立憲民主、国民民主、衆院会派「無所属の会」、共産、自由、社民の野党6党派は安倍内閣不信任決議案を提出したが、衆院本会議で与党などの反対多数で否決された。第196通常国会は22日の会期末を前に事実上閉会した。
◇内閣不信任案は否決
IR実施法は、全国3カ所を上限にカジノ、国際会議場、ホテルなどを一体化したIRの整備を認める。カジノを利用する日本人と国内居住の外国人を対象に入場料6000円を徴収し、入場回数を「週3回かつ28日間で10回」までに制限する。政府は2020年代前半の開設を目指しており、今後、各地で誘致活動が本格化する見通しだ。
政府は経済成長につなげたい考えだが、ギャンブル依存症への懸念も根強い。政府は入場料の水準や入場回数制限などが「世界最高水準の規制」(安倍晋三首相)と主張するが、国民民主の玉木雄一郎共同代表は20日の記者会見で「疑問点が消えていない。議論が生煮えだ」と批判した。
野党は、西日本豪雨の復旧対応が続く中で成立を急ぐことにも反発を強め、立憲の枝野幸男代表は不信任決議案の趣旨弁明で「ギャンブルを優先する内閣に災害対応をさせるよりも、よりましな内閣として再出発して災害対応に当たる方が適切だ」と述べた。
1月22日に召集された今国会で、与党は安倍政権が最重要課題と位置付けた働き方改革関連法をはじめ、米国を除く11カ国による環太平洋パートナーシップ協定(TPP)関連法などを成立させた。
首相は20日の自民党代議士会で「しっかりと日本の経済の成長、地域の発展につなげていきたい」と強調。自民の二階俊博幹事長は記者団に「重要法案は全て成立することになった。安倍政権は順調な成果を収めるものと確信している」と述べた。
国会が事実上閉会したことを受け、9月の自民党総裁選に向けた動きが本格化する見通しだ。連続3選を目指す首相(党総裁)に、石破茂元幹事長らが挑む構図となりそうだ。【村尾哲】
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180720-00000103-mai-pol
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