第197臨時国会が24日召集され、安倍晋三首相の所信表明演説が同日午後の衆参各本会議で行われた。首相は来年10月の消費税率10%への引き上げに向け「経済に影響を及ぼさないようにあらゆる施策を総動員する」と表明。
増税分から財源を振り分けて幼児・高等教育無償化を実現することなどを通じ、「全ての世代が安心できる社会保障制度」に改革する意欲を示した。憲法改正では「立場を超え、できるだけ幅広い合意が得られると確信している」とし、与野党協議の進展への期待感を表明した。
首相は改憲に関し「(衆参の)憲法審査会で政党が具体的な改正案を示すことで、国民の理解を深める努力を重ねる」と述べ、自民党案の提示を機に議論を深めたいと意気込んだ。
9月の自民党総裁選で3選されたことを踏まえ、首相は「次の3年間、国民とともに新しい国創りに挑戦する」と表明。一方で「長さゆえの慢心はないか。そうした国民の懸念にもしっかりと向き合っていく」と述べ、森友・加計学園問題などを巡る世論の不信感にも配慮を示した。
政府は臨時国会で外国人労働者の受け入れ拡大を目指す入国管理法改正案の成立を図る方針。首相は演説で「一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材を受け入れる」と表明し、新たな在留資格を設け、
法務省の入国管理局を「出入国在留管理庁」に格上げする意向を示した。外国人労働者に日本人と同等の報酬を確保し「世界中から優秀な人材が集まる日本を創り上げる」と述べた。
また、今夏の一連の災害の復旧費用などを盛り込んだ9356億円の補正予算案の成立で「復旧を加速する」と表明。防災・国土強靱(きょうじん)化対策を年内にまとめ、「3年間集中で実施する」と表明した。
外交では「戦後日本外交の総決算」を目指すとした。北朝鮮による拉致問題では日朝首脳会談への意欲を改めて示し、「ご家族もご高齢となる中、あらゆるチャンスを逃さないとの決意で臨む」と強調した。
日露関係では「プーチン大統領との信頼関係の上に領土問題を解決し、日露平和条約を締結する」と改めて表明した。日中関係では、26日の首脳会談を通じ「新たな段階へ押し上げる」と語った。通商問題では、日米物品貿易協定(TAG)の交渉を進め「双方に利益が得られるような結果を出す」と述べた。【高山祐】
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181024-00000050-mai-pol
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