◇妻智恵子さんから「ここからが本当の始まりね」
翁長雄志(おなが・たけし)知事の死去に伴う9月30日の沖縄県知事選で初当選した元自由党衆院議員の玉城(たまき)デニー氏(58)は投開票から一夜明けた1日朝、沖縄市の自宅前で報道各社の取材に応じた。
「県民の意識は、翁長氏が命をかけてでも守ろうとした『辺野古に新しい基地を造らせない』という遺志を継いでほしい、ということではないか」と述べ、改めて米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画を阻止する決意を示した。
玉城氏は知事選で、辺野古移設を進める安倍政権が支援した候補に約8万票の大差をつけて勝利。39万6632票の得票は沖縄県知事選で過去最多だった。
辺野古移設を巡っては、県が8月末に埋め立て承認を撤回し、工事は法的根拠を失って止まっている。政府は工事再開に向けて法的措置を取る構えだが、
玉城氏は「就任のあいさつの場などで今後について国と協議をしていきたいと伝える」と述べ、司法の場ではなく話し合いによる解決を求める考えを明らかにした。
昨夜は取材対応や事務所回りなどを終えて、帰宅したのは1日午前2時半ごろ。睡眠時間はわずか2時間半ほどだったが、この日は朝から地元・沖縄市の交差点に立ち、あいさつをしながら笑顔で手を振った。
「誰一人取り残さない政治を」。玉城氏は選挙期間中、繰り返しそう訴えた。本土復帰前の米国統治下で生まれ、米兵の父の顔を知らずに育った。
見た目の違いからいじめられた幼少期、泣いて帰ると育ての母親から「トゥーヌイービヤ、ユヌタケーネーラン(10本の指に同じ長さのものはない)」と教えられた。それが多様性を何よりも大事にしたい、という自らの政治信条になった。
かつてはラジオパーソナリティーとして沖縄で人気を博し、「口から生まれた人間」と自任。8人目の沖縄県知事に4日就任するが、「一生懸命選挙戦を走ってきたので、まだ実感は20%くらい」と笑う。
ロックバンドをしていた時代に知り合った妻智恵子さん(59)から当選後、「ここからが本当の始まりね」と声をかけられた。基地問題だけでなく、
経済や子供の貧困など沖縄の政策課題は山積しているが、「自立と共生と多様性を県政運営の基本的な理念に置きたい」と語った。【佐野格】
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181001-00000031-mai-pol
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