10日に論戦が本格化した自民党総裁選は、同日午後から13日まで安倍晋三首相(63)がロシア訪問中で、石破茂元幹事長(61)だけが地方行脚中だ。
10日午後に水戸市で街頭演説し、すぐに神戸市に移動。11日は神戸、堺、大阪各市で演説や練り歩きを繰り返した。
その石破氏が11日、大阪市の街頭演説で怒りをみせた。「総裁選は党員だけのものではない。外交、社会保障をどうするか、今ほど国民に訴えねばならない時はないが、私と安倍さんが一緒に演説する機会はほとんどない。一般の人には聞こえない」。
一方、首相は10日夜にプーチン大統領と会談し、共同記者発表がNHKで生中継され、海外から「公務」で存在感を示した。
7日告示の総裁選は、北海道の地震で3日間の活動自粛となり、首相はその間、関係閣僚会議で繰り返しニュースに登場。石破氏のメディア露出は、10日の党主催の共同記者会見などがメインで、論戦に活路を見いだしたい石破陣営には論戦中断への焦りが募る。
さらに、劣勢の国会議員票に加え、着々と地方議員の支持を固めた首相の壁は厚い。石破陣営のベテランは「党員に片っ端から電話するとみんな『分かった』と言ってくれるが、地元の県議や市議は首相ががっちり固めている」とぼやく。
その中での「好材料」が岡田裕二神戸市議のフェイスブックへの投稿だ。「官邸の幹部から露骨な恫喝(どうかつ)、脅迫を受け神戸市議、兵庫県議有志は石破候補を応援する決意を固めた」と記していた。
石破氏は「首相への個人攻撃だ」との指摘も踏まえ10日は封印していた「正直、公正」を11日の街頭で復活させ、「国民のみに忠誠を誓い、誠実に正直に公正に取り組んでいく」と強調。
約300人が集まり握手や記念撮影を求める列ができる会場もあった。堺市の主婦(71)は「安倍政権にはおごりが見える。石破さんには好感が持てた」と評価した。
かたや候補不在の首相陣営は電話作戦を強化。ある幹部は「うちの選挙区は99%首相支持で石破氏は1人だけ」と笑みを浮かべた。
ただ、ある秘書は「安倍選対を名乗るこちらに『本当は石破支持』と言う人はいない」と漏らす。「石破人気」への警戒感は、うっすら漂っている。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180912-00000018-mai-pol
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