「造船が崩れ、鉄鋼は競争力を失い、自動車は列強の保護主義に苦しんでいる。生き残っている産業世代は第4次産業革命の時代的変化要求に業が根本的に変わる状況に傷心している」。
エンジニア出身の創業者、崔平奎(チェ・ビョンギュ)S&Tグループ会長(66)が13日、グループ創立39周年記念演説でこのように吐露した。
1997年の通貨危機と2008年のグローバル金融危機の当時も危機を機会にして会社を成長させたが、今回は容易でないという心配が込められている。
グループ主力の自動車部品と防衛事業が同時に不振となり、崔会長は1週間に3、4日間はS&T重工業(昌原)とS&Tモーティブ(釜山)工場に出勤し、危機を乗り越えるための対策に苦心している。
崔会長は記念演説で「鉄鋼と海外建設、プラントは競争力を失いつつあり、自動車部品産業は深刻な赤字と倒産の崖っぷちに立っている」と診断した。
さらに大きな心配は製造業時代が終わりつつあるという点だ。崔会長は「機械工業中心の製造業が脚光を浴びた時期があった」とし「創業を尊重し、成長して尊敬を受けた時代だった」と振り返った。
内外の困難が増え、変化を要求する圧力が強まっているが、崔会長はここであきらめることはできないと述べた。生き残るためには時代的な流れに合わせる必要があると役職員に強調した。
崔会長は「20代の青年時代から油が染みついた作業服を着て毎日、機械と向き合いながら前に進んできた」とし「(変化に)これ以上遅れてはいけない」と語った。
続いて「さらに存続するためには今から古い考え、古い方式、古い固定観念を完全に変える根源的な変化に力を集中しなければいけない」と力説した。
13日の崔平奎S&Tグループ会長のグループ創立39周年記念演説は悲壮感が感じられた。崔会長は「企業はいつかは滅びる」とし「どれくらい存続するのかが重要だ」と強調した。グループが困難に直面している点を勘案し、
工場がある釜山(プサン)・昌原(チャンウォン)一帯の休養地に役職員と家族まで招待して開いていた創立記念式も今年はキャンセルした。記念行事は崔会長の記念演説に変わり、事務室と工場は閉鎖した。
造船・自動車産業の不振で7月の国内設備投資指数は10.4%減少し、18年ぶりに5カ月連続で下落した。先月も機械類の輸入額が減少し、
8月の設備投資も不振が予想される。造船・自動車などの産業が競争力を失い、部品産業が根本から揺らいでいるというのが、崔会長の心配だ。
国内第1世代の精密機械工業創業者としての心境も表した。崔会長は「創業を尊重し、成長して尊敬を受けた時代があったし、機械工業が大韓民国の経済を支えて拍手も受けた。
奇跡の韓国経済はそのように築かれた」とし「油断せず、ぜいたくもせず、ただ事業一筋に進んできたが、いつのまにか39年の歳月が流れた」と回顧した。創業39年を振り返りながら役職員と焼酎を交わしたいとか話した。
崔会長は内外の困難にもかかわらず役職員に「一歩後退しても絶対に倒れないでおこう。一生懸命に働いて堂々と挑戦しよう」と呼びかけた。
韓国の技術と努力を疑う周囲の状況に失望して委縮すれば未来はないと強調した。崔会長は「成功の秘訣は勤勉にある」とし「S&T100年史に向かってよりいっそう力強く走ろう」と強調した。
崔会長はエンジニア出身の一代目オーナー経営者だ。慶煕大機械工学科を卒業し、27歳だった1979年に職員7人でサムヨン機械工業(現S&TC)を立ち上げた。
全財産が59平方メートルのマンションだけだった崔会長は父や姉など家族の家まで担保にして創業資金を準備した。
崔会長はS&TCを2001年に証券取引所(現韓国取引所)上場企業のうち営業利益率1位の企業に育てた。当時、売上高973億ウォン、営業利益294億ウォンで、営業利益率は30.2%だった。2003年に統一重工業(現S&T重工業)、
2006年に大宇精密(現S&Tモーティブ)などをM&A(企業の合併・買収)し、S&Tを20余りの系列会社を率いる資産2兆ウォン(約2000億円)、売上高1兆5000億ウォン規模の中堅グループに成長させた。
すべて経営不振の企業だったが、崔会長が引き受けてから「優良黒字企業」に変わった。
※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180914-00000015-cnippou-kr
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