【カイロ時事】サウジアラビア検察当局は、予備調査の結果として、トルコのイスタンブールにあるサウジ総領事館で今月2日に行方不明になったサウジ人記者ジャマル・カショギ氏が死亡したことを初めて公式に認めた。総領事館を訪れたカショギ氏は館内にいた人物と口論になり、殴り合いに発展して死亡、その事実が隠蔽(いんぺい)されようとしたと明らかにした。国営メディアが20日伝えた。
調査は継続中だが、これまでにサウジ国籍の18人が拘束された。検察は、関与した全員を訴追すると強調。またサルマン国王の命令で、王室顧問と情報機関高官ら計5人を解任して政府の責任も認めた。国王は、情報機関の再構築のためムハンマド皇太子をトップとする委員会設置を指示した。
トランプ米大統領は19日、アリゾナ州で記者団に対し、サウジの説明を信頼できるとの認識を示した。
事件をめぐっては、ムハンマド皇太子によるカショギ氏拘束の指示疑惑や、容疑者のうち複数は皇太子とつながりがあると指摘する報道も相次ぎ、皇太子が深く関与したとの見方が強まっている。しかし、検察の発表では、事件が過失によるものだと示唆し、皇太子の関与や指示を示す言及もなかった。
トルコ当局はカショギ氏が領事館内で殺害されたと主張し、サウジはこれを一貫して否定していた。しかし、同盟国・米国をはじめ真相解明を求める圧力が強まり、当初の説明を一転。事件の幕引きを図りたい考えだが、調査内容が国際社会の理解を得られるかは不透明で、サウジへの批判が高まる可能性もある。
◇サウジ検察発表の調査結果要旨
一、ジャマル・カショギ氏はトルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館で居合わせた人物と口論・殴り合いとなり、死亡した。
一、死亡は隠蔽(いんぺい)されようとした。
一、容疑者はカショギ氏をサウジに連れ戻す目的でトルコを訪れた。
一、サウジ国籍の18人を拘束。事件に関与した全員を訴追する。
一、国王令で、王室顧問や情報機関高官ら5人を解任する。
一、国王令で、ムハンマド皇太子を長とする委員会を設置し、情報機関の再構築と規則の見直しなどを行う。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181020-00000014-jij-m_est
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