BMWのディーゼル車両の出火事故と関連し韓国政府が史上初めて運行停止命令を発動したが混乱は収まらずにいる。出火事故被害者はBMWコリアが主張する排気ガス再循環装置(EGR)欠陥のほかに別の出火原因はないか政府が究明すべきと主張している。
先月30日に初の集団訴訟を起こした出火事故被害者の訴訟を代理する法務法人パルンのハ・ジョンソン弁護士は16日午前に記者会見を行い韓国政府の速やかな出火原因究明を促す予定だ。
ハ弁護士は15日に中央日報との通話で「安全診断を受けていないBMWのリコール対象車に対し運行停止命令が下されたが、出火原因究明のロードマップは全く提示されていない状態だ。政府はオーナーにだけ被害を転嫁するのではなく原因究明に向けた具体的な方策を提示しなければならない」と主張した。
ハ弁護士と被害者は記者会見で、▽EGR欠陥以外の出火原因究明▽シミュレーションを通じた出火実験▽出火原因究明ロードマップ提示――などを要求する予定だ。
ハ弁護士は「11日に仁川(インチョン)の自動車学校前で発生した『120d』の車両火災の場合、エンジンをかけたままエアコンをつけて停車中だった車で出火し、発火地点もEGR部品ではなくグローブボックスと聞いた」と主張した。
続けて「これは走行中の車だけで出火するというBMWコリアの主張と相反するもの」と話した。
出火事故被害者は実際にEGRモジュールから火が発生するのか走行試験場で耐久走行試験(ストレステスト)を実施し、仁川での出火事故と同じ条件でエアコンを作動したまま停車中の車からの出火可能性試験(シミュレーションテスト)も実施しなければならないと主張する。発火地点が異なる事故が報告された点から推測して配線の欠陥など他の出火原因についても調査を始めることを促している。
実際に昨年11月にBMWは米国で配線欠陥による出火の可能性が見つかり141万台をリコールした。5月には英国でもヒーターの配線装置で出火の危険が報告され、「3シリーズ」30万台のリコールが実施された。
◇運行停止発動後も混乱は続く=リコール対象となったBMWの車のうち安全診断を受けていない車に対し運行停止命令が発動されたが実効性に対する疑問は相変わらずだ。国土交通部は自動車管理法罰則条項である第81条22号に基づき、市長・郡守・区長の点検・整備・検査命令に違反した場合、1年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金に処することができると主張する。
だが該当法条項の立法趣旨が違法改造などを防ぐためのもので、運行停止命令に応じないことを処罰するためのものではないという反論が出ている。
国土交通部が運行停止命令を破り走行中に出火が発生した場合には告発措置を取ると明らかにしたことに対しても車の
オーナーは「交通妨害など危険を招いたわけでもなく出火の危険が感知され道端に止めたものを処罰するのか」として不満を爆発させた。
行政安全部が政府ソウル庁舎など全国10カ所の政府庁舎に対してBMW車両の出入りを制限する過程でも混乱は大きかった。
行政安全部は当初BMWの全車種に対する出入りを制限するとしていたが、議論が起きると「安全診断を受けていないリコール対象車」に言葉を変えた。15日から該当車は
▽庁舎駐車場▽引火性物質がある駐車区域▽出火に弱いピロティ構造の建物の駐車場――などを利用できなくなる。
この日全羅北道任実郡(チョンラブクド・イムシルグン)の道路を走行中だったBMWの小型スポーツ多目的車(SUV)「X1」で出火し車が全焼した。
この車は2012年4月に生産され、リコール対象である2012年6月~2014年2月に生産されたモデルではなかった。これで今年に入り出火が発生したBMWの車は40台に増えた。リコール対象でない車の出火は11台目だ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180816-00000009-cnippou-kr
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