ラグビーの国際統括団体ワールドラグビー(WR)は、2019年9月に日本で開催されるラグビー・ワールドカップ(W杯)の出場選手にタトゥー(入れ墨)を隠すよう指示する方針だ。日本では、入れ墨は長く暴力団と関連づけられてきた。タトゥーをしている観光客は伝統的な温泉地への立ち入りを禁じられることもある。
選手らは、ジムやプールを利用する際に上着を着るよう求められるという。
太平洋の島国の選手など、多くのラグビー選手がタトゥーをしている。
しかしWRのW杯責任者アラン・ギルピン氏は、これまでこの方針に対して各国チームから反対意見は出ていないという。
「1年ほど前にこの議題を取り上げたとき、苛立ちの反応があると思っていたが、今のところ全くない」とギルピン氏は説明した。
「選手たちに理解してもらうため、我々は昨年、各チームと様々に取り組んだ」
「プールやジムでラッシュガード(ウォータースポーツで着るシャツ)を着るという案を、選手たちは受け入れるだろう。選手たちは、日本の文化を尊重したいと思っているのだし。なので我々はこれを、自分で自分を律するための方策と位置づける」
ニュージーランド代表「オール・ブラックス」は、選手たちがこの方針に従うつもりだと明らかにした。代表選手の多くは腕全体や上腕部にタトゥーが入っている。
ニュージーランド・ラグビー協会のナイジェル・キャス戦略・執行最高責任者はニュースサイト「スタッフ」に対し、「国外試合では、各地の習慣や文化を尊重するよう努力している。今年と来年、日本を訪問する時もそれは変わらない」と語った。
日本の観光庁は2016年、国内外でタトゥーに対する考え方に違いがあると説明し、温泉施設などにタトゥーのある利用者の入場規制を緩めるよう訴えた。
温泉施設や銭湯は、タトゥーを覆うためのシールを配ったり、入浴時間帯を分けるなどの工夫をするよう求められた。
2015年の調査では、宿泊施設の56%がタトゥーを入れた利用者の共同浴場利用を禁じている。
日本では入れ墨は必ずしもネガティブな印象だけを持たれているわけではないが、1960年代に全身に入れ墨を入れた暴力団員を映した映画が大量に作られ、暴力団と関連付けられるようになった。
一般的に「やくざ」と呼ばれる暴力組織は、数百年前から日本社会の一部だった。暴力団構成員・準構成員の人数は近年減少を続けているが、今年4月の警察庁まとめによると、昨年末現在の時点で3万4500人だった。
(英語記事 Rugby stars told to hide tattoos in Japan)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180921-45597116-bbc-int
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