(CNN) 地球の表層を構成する地殻は、従来の想定をはるかに上回る1000兆トンものダイヤモンドを含んでいる――米国、豪州、中国の大学が参加した研究チームがこのほど、音波を使った実験によりそのような推論を導き出した。
岩石で構成される地殻を音波が通過する際、その速度は当該箇所に含まれる鉱物の温度や密度によって変化する。研究チームが耐震工学の技術を用いた実験で音波を測定したところ、地殻の最下層を通過する際に速度が大きくなるとの結果が出た。
音波がダイヤモンドを通過する速さは他の鉱物の2倍。研究者らは様々な鉱物を組み合わせた地殻の立体モデルを作り、ダイヤモンドの含有率を1~2%に増やすことで音波の速度の上昇が再現できることを突き止めた。
実際の地殻にも同様の割合のダイヤモンドが含まれていると推計すると、その総量は1000兆トン。これは研究者らが想定していた水準の少なくとも1000倍に相当する。
研究に参加したマサチューセッツ工科大学(MIT)のウルリッヒ・フォール氏はこれらのダイヤモンドについて、地殻の底の部分に位置していると考えるのが最も理にかなうと指摘。上層の岩石がもたらす高い圧力と、地球の中心部への近さによる高温状態が、ダイヤモンド形成の条件を満たしているためだという。
ただ現時点で、これらのダイヤモンドから大量の指輪やネックレスが作れるようになるわけではない。地殻下層部のタイヤモンドは地表から144~240キロの深さにあり、現在の鉱山機械では採掘不可能だ。ロシアにある世界有数の規模を誇るダイヤモンド鉱山でも、到達できるのは地表から約536メートルの深さにすぎない。
MITのフォール氏によると、現在採掘されているダイヤモンドは主に火山活動によって地表近くまで移動したものだという。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180718-35122639-cnn-int
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