若者の就職難に苦しむ韓国で、日本への就職ブームが起きている。韓国人留学生らの日本での就職者数は昨年、2万人を突破し、韓国では日本企業の就職説明会が開かれ、政府や財界が後押しする動きもある。
背景には、文在寅(ムン・ジェイン)政権の経済政策の失敗で低迷する雇用状況があるとみられる。歴史問題で「反日」傾向の強い文政権だが、困ったときは「アベノミクス」で雇用が好調な日本頼み。節操のなさを指摘する声も上がっている。
《「人生のリセット狙う」…学閥・資格ではなく可能性重視の日本就職が韓国でブーム》
韓国紙、中央日報(日本語版)は8月29日、こんな見出しの記事を報じた。
記事では、韓国産業人材公団が昨年にあっせんした海外就業者5118人のうち、日本で職場を探す人が1427人で最多だったことを紹介。
釜山で8月に開かれた「日本合同就職博覧会」の様子について、「国内雇用市場が冷え込むほど熱くなる日本就職の熱気を目の当たりにできる現場だった」と伝えた。
日本側の統計でも、韓国人の日本就職は増えている。法務省の統計によると、昨年末時点で、大学での専攻などを生かして業務にあたる「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得した韓国人は2万1603人。前年比で約14%増加した。
外国人留学生が日本の大学を受験する際に利用する「日本留学試験」の受験者数は3669人(6月実施分)に上り、過去5年間で3倍に増えた。
こうした動きを韓国政府も後押しし、今後5年で、日本で若年層1万人の就職を目指すプロジェクトを発表した。
また、聯合ニュースによると、韓国経済界が主管する若者の日本就職のための研修プログラムも発足した。経済団体の「韓日経済協会」が韓国人を採用したい日本企業を探し出し、全国経済人連合会(全経連)が教育のための会場を提供、全経連傘下の教育専門機関が研修を運営するという。
韓国での「日本就職ブーム」の背景には、日韓の対照的な雇用環境がある。昨年の韓国の大卒就職率が67・7%にとどまった一方、帝国データバンクによると、正社員が不足する日本企業は全体の49・2%(前年同期比5・5ポイント増)で、4月の過去最高を記録した。
文政権は「雇用拡大」をうたっているが、7月の就業者数は前年同月比で5000人増にとどまった。リーマン・ショックの影響下にあった2010年以来の雇用危機とされ、若年層(15歳~29歳)の失業率も9%を超えている。
韓国での日本就職熱の高まりについて、韓国事情に詳しい朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「就職難の韓国では大手企業に入るのは難しく、中小企業や大企業の非正規社員となるケースが多い。
だが、大手と中小では給与面などの格差が激しいうえ、『ちゃんとした大学まで出たのに、中小企業に入ってたまるか』というような見栄もある。『それだったら日本に行ったほうがいい』という思いがあるのだろう」と指摘する。
歴史問題で「反日」色の強い文政権が、日本への就職を後押しするのは皮肉としかいいようがないが、松木氏は「文氏は実利主義者で、得だと思ったら目先の利益を優先する考えが強い。政権としても就職問題さえ解決すれば、行き先は日本でもいいと思っているのではないか」と話す。
文政権の失政のツケを受け入れる形の日本だが、外国人の日本企業就職が拡大するような動きもある。経団連の中西宏明会長が21年春入社の大手企業の採用選考について、
会社説明会や採用面接の解禁時期などを定めている就職・採用活動のルール「採用選考に関する指針」を廃止すべきだとの考えを示したのだ。
今後、就職活動の規制緩和が実行に移されることになれば、外国人の新卒採用が増える可能性もある。
前出の松木氏は「韓国の人たちは伝統的に、企業に対する忠誠心があまりなく、自分がいかに会社を利用するかという考えを持っている。
日本企業に就職しても、キャリアを積んで韓国の大企業などに転職することを狙っている人が多いのではないか。日本企業にとって長期的に、利益になるかどうか考えるべきだ」と話した。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180908-00000001-ykf-int
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