「愛する夫は、もしかしたら風俗店に通っているかもしれない…」
どんなに仲睦まじい夫婦であっても、ふとした瞬間に抱く、妻の疑念…。
そんな女性の思いに、わずか1000円で答えを出してくれるサイトが、韓国のインターネット空間に突如現れた。そのサイトの名は「遊興探偵」。
風俗履歴を1000円で!に依頼殺到
当該サイトや韓国メディアによると、今年8月ごろに開設された「遊興探偵」は、検索エンジンではたどり着けず、SNS経由の口コミで広まったとの事。風俗業者の顧客管理アプリなどから入手した、100万件余りの顧客電話番号のリストを持っていると主張している。
利用方法は簡単だ。指定された口座に1回10,000ウォン(日本円で約1000円、2回目以降は約3000円に)を振り込み、サイト上の匿名掲示板に検索してほしい男性の電話番号を書き込むだけ。検索結果は依頼者に携帯のショートメールで送信される。
いつ、どこの風俗店を利用したのかなどが、一覧で表示されるのだ。開設後間もない8月の時点で会員は1000人を超え、検索依頼の書き込みは日々増加している。
「パンドラの箱」が開いてしまい・・・
妻や彼女などのパートナーがいながら風俗店を利用した男性にとっては、悪夢のようなこのサイト。実際に、交際中の男性の風俗履歴を調べてもらった女性はこう語る。「サイトに関する口コミをたまたま見て、すぐに依頼しました。彼氏の携帯番号で2件ヒットして、風俗店の場所、名前、業種、日時まで全部出てきました。
そのうち1か所は彼氏が住んでいる街にあったので、結果を疑う事は無かったです。買春しないような良い相手と出会うためにこのサイトを使いました」
検索結果に衝撃を受けた女性は、もちろん、彼氏と別れたという。
確かに女性にとってはメリットが大きいが、風俗通いを隠したい男性にとっては、まさに「パンドラの箱」だ。韓国の風俗業は時代とともに変化
では、なぜこのようなサイトが出来たのか?
その背景として、韓国の風俗業の変化が挙げられる。韓国にはもともと、「置屋」と呼ばれる売春施設が各地に存在していた。街行く人に「女の子いるよ!」と声をかけて客引きし、店内で買春させる違法風俗店だ。
しかし徐々に韓国政府が取り締まりを強化。かつてはソウル市内でも、清涼里(チョンニャンリ)駅前やミアリと呼ばれる地域には売春街が広がっていたが、現在は、ほぼ壊滅している。
その結果、多くの風俗業者が地下に潜り、マンションの一室などで違法風俗店を経営している。顧客は電話で予約を入れる形になり、一部の風俗業者は「マナーが悪い」「キャンセルする」などの「ブラック顧客」情報を共有するため、
客の携帯電話番号をリスト化していたという。客引きだけの置屋風俗店では存在しなかったリスト…「遊興探偵」は、何らかのルートで、このリストを入手したとみられる。
韓国では売春も買春も違法行為だ。買春した男性にとっては「自業自得」の部分はあるが、このサイト自体も違法に集めた個人情報で不法に利益を得た「違法サイト」である。
韓国警察はすでに捜査に乗り出していて、「遊興探偵」は一時閉鎖されたが、類似のサイトが雨後の筍のように開設されている。
サイト自体は違法だが、このサイトの登場によって風俗通いがバレるリスクが出てきたため、違法風俗店に通う男性が減るという効果も予想され、皮肉な展開となっている。
(執筆:FNNソウル支局長 渡邊康弘)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180913-00010001-fnnprimev-int
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