【ソウル堀山明子】韓国青瓦台(大統領府)の南官杓(ナム・グァンピョ)国家安保室第2次長は21日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が23~27日に米ニューヨークを訪問し、米韓首脳会談や国連総会の基調演説を通じて第3回南北首脳会談の結果を説明し
「(朝鮮半島の)平和・繁栄を進める政府ビジョンへの理解を訴える」と発表した。米朝対話や非核化の進展に合わせ、北朝鮮に対する国連制裁も段階的に緩和する必要性を訴えるとみられる。
南北両首脳が19日に署名した「9月平壌共同宣言」には、北朝鮮の外貨稼ぎになる開城工業団地と金剛山観光事業の再開や、新たな経済特区の開設などが明記された。いずれも国連制裁の下では、実現不可能な内容だ。
対北朝鮮制裁について青瓦台高官は21日、韓国メディアに「国際社会は北朝鮮に対し『制裁のための制裁』ではなく、
非核化の実現のための制裁をしなければいけない」と発言、非核化の進展に応じて制裁を緩和していくロードマップが必要との認識を示した。
20日に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と「民族の聖地」である白頭山に登頂し、「新たな歴史」を築く誓いを立てた文氏は、
非核化の方法論を巡る米朝関係のこう着を打開するだけでなく、制裁緩和へ向けて国際社会を説得する課題も背負っている。
また、文大統領は訪朝を終えた直後の記者会見で「北朝鮮はこれまで、非核化は米朝の問題として、韓国と議論するのを拒否してきたが、
今回はこだわりなく議論し、仲裁を求めた」と金委員長の態度が大きく変化したと力説した。
北朝鮮は共同宣言の中で「米国が相応の措置を取るならば」との条件付きで寧辺(ニョンビョン)核施設の永久廃棄を表明したが、24日の米韓首脳会談で文氏は、この問題についても公開されていない具体的な内容をトランプ米大統領に報告し、廃棄の方法を議論する見通しだ。
文正仁(ムン・ジョンイン)統一外交安保特別補佐官は「寧辺にはプルトニウムを生産中の黒鉛減速炉だけでなく、少なくとも1カ所の高濃縮ウラン施設がある。
文大統領がこれを引き出したのは意味がある」と語る。米韓首脳会談後の共同会見で、高濃縮ウラン施設の永久廃棄を含む非核化の具体策がどこまで示されるか注目される。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180921-00000105-mai-int
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