『価格.com』や『食べログ』を運営し、13期連続増益、営業利益率は50%弱を誇る超優良企業『カカクコム』。
同社の創業者であり、『価格.com』の立ち上げ人でもある槙野光昭さんは、会社も自身も伸び盛りの28歳のときに会社を売却し、突如ビジネスの第一線から退く決断をします。
引退後はメディアに一切姿を現さず、ネットでは「悠々自適の生活を送っている」という噂も飛び交っていましたが、十数年の時を経て、槙野さんはまたビジネスの世界に戻ってきました。
その舞台は、なんと美容室。
あれから一体どんな生活を送り、なぜ起業家として復活し、美容室を始めようと思ったのか? “20代でアガった男”の人生を追体験できる超貴重なインタビューです。
〈聞き手=渡辺将基(新R25編集長)〉
渡辺:
槙野さん、会社を売却してからは一切メディアに露出してないですよね。こうやってインタビューを受けるのは相当珍しくないですか?槙野さん:
そうですね。「槙野ははぐれメタルだ」と言われてますから(笑)。カカクコムを辞めたあとは、一切メディアに出たくないって言ってたんですよ。百害あって一理なしだし、もう僕が目立ってもしょうがないと思ってたんで。
渡辺:
なぜ今回は受けてくれたんでしょうか?槙野さん:
今やってる美容室の事業がうまくいきはじめたので、これからは自分が積極的に出ていったほうがプラスになるなと思ったんですよね。これは、僕が一発屋じゃなかったことを証明する戦いでもありますし。“業界の有吉”を目指してます(笑)。
渡辺:
なるほど、ちょうどいいタイミングで打診できてよかったです!店頭のメモリの価格を調べていた営業マン時代に、ビジネスの種を見つける
渡辺:
今日は引退後の生活や現在手がけている事業のことをメインで聞きたいと思っているんですが、その前にカカクコム創業時の話をカンタンにおさらいさせてください。創業前はメルコ(現バッファロー)という会社で営業をしていたんですよね?
槙野さん:
はい。パソコンショップにメルコの製品を置いてもらう営業をしてました。主にメモリですね。渡辺さん、当時のパソコン環境ってどんな感じだったか覚えてますか?
渡辺:
20年以上前ですよね? ちょっとわからないですね…槙野さん:
『Windows95』が出たあとくらいの時期だったんですけど、当時はパソコンに搭載されているメモリが4~8MBくらいしかなかったんですよ。渡辺:
GB(ギガ)じゃなくてMB(メガ)!? ちょっとイメージできないです。槙野さん:
だから、16MBで3~4万円ぐらいする増設用のメモリがバカバカ売れてたんですよね。
メモリは規格品でどこの製品も同じだったんで、ショップに置いてもらうにはとにかく価格戦略が最重要。当時僕は下っ端だったんで、いろんなショップにあるメモリの値段を調べる係をやってました。
渡辺:
かなり地道な仕事ですね…槙野さん:
はい。同じ製品でもショップ毎に値段が違う上に、メモリにも種類がたくさんあって。たとえば、「富士通のパソコン用のメモリ」だけ見ても8MB、16MB、32MB…があったりする。これらをいちいち調べるのがすごいめんどくさかったんで、同じようにリサーチをしてるライバル会社の営業マンに話しかけて、お互い調べた分を交換しようよと提案したりしてましたね(笑)。
渡辺:
そんなことをしてる間に、こういった価格比較情報は消費者にもニーズがあるんじゃないかと気付くんですよね。槙野さん:
そうです。当時秋葉原に来ていた人たちに、僕が「一番安い店に連れて行ってあげるよ」と言ったら、すごい需要があったと思います。これはチャンスだと思ったし、当時の上司も嫌いだったんで、結局1年で会社を辞めちゃいましたね。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180907-00010000-srnijugo-life
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