子どもにおこづかいをいくらあげたらいいのか、無駄遣いをしないようにどう伝えればいいのか、よその家庭はどうしているのだろう……。子どもたちが進学・進級を迎える季節。中学進学を機におこづかいを求める子もいれば、高校生になってアルバイトを始める子もいる。気になる中高生のお財布事情について、ファイナンシャルプランナーの小澤美奈子さんが実態をリポートする。
目次
◆高校生は5700円
親が最も知りたいのは、「よその家は、いくらあげているの?」ということではないでしょうか。
日本銀行に事務局を置く金融広報中央委員会が実施した「子どものくらしとお金に関する調査」(2015年度)によると、おこづかいを定期的にもらっていると回答した中高生は全体の約8割です。
また、「家計の金融行動に関する世論調査」(2017年)では、1か月あたりのおこづかいの平均額は、中学生で2514円、高校生では5781円という結果が発表されています。
おこづかい額の推移を見てみると、中学生は3049円(1993年、98年)、高校生は6973円(96年)をピークに減少傾向にあります。1970年代生まれの親が中高生の頃にもらっていた額より、現在の中高生のほうが少なくなっている状況です。長引く景気の低迷が家計に影響を及ぼし、それが子どものおこづかい額にも反映していると考えられます。
親の苦しい懐具合を察してか、最近の中高生はスマートフォンで、アプリ、ゲーム、動画などの無料で楽しめるツールを活用しているようです。また、おこづかいはすべて貯金に回すという堅実派も多いそうです。
◆増える友達へのプレゼント
中高生はおこづかいを何に使っているのでしょう。実際に中高生に聞いてみました。
「インスタグラムやツイッターで話題になっている店に行く」(高2女子)
「塾へ行く前にコンビニで買い食いする」(中1男子)
「学校帰りにスイーツや食べ放題の店に立ち寄る」(高3女子)
「部活がない日はみんなでラーメンを食べに行く」(高校生男子)
「子どものくらしとお金に関する調査」(金融広報中央委員会)の2005年度と2015年度の調査結果を見比べてみると、おこづかいの使途について、中高生それぞれの上位は、「友達との外食・軽食代」や「おやつなどの飲食物」です。
学校帰りにコンビニで買い食いをしたり、ファストフード店などでおしゃべりをしたりする光景はいつの時代も変わらないようです。
一方で、05年度の調査結果で上位に入っていた「まんが」「小説や雑誌」「CD・MDの購入」が、15年度には順位を下げています。そもそも、CDやMDの再生機を持っていないという若者も増えており、「CD・MDの購入」はランキングから姿を消しています。
入れ替わるように、15年度の上位になっているのが、中高生ともに「友達へのプレゼント」と「家の人へのプレゼント」です。バレンタインになると「友チョコ」を贈りあったり、誕生日にオシャレな文房具をプレゼントしたり、意中の子にはアクセサリーやスマホケースなどのペアグッズを用意したりするそうです。友達や家族への感謝や親愛の気持ちをプレゼントで示すのも最近の風潮です。
◆おこづかいが足りなくなったら?
おこづかいが足りなくなった場合はどうしているのでしょう?
「貯金していたお年玉を使う」(高1女子)
「おじいちゃんのところへもらいに行く」(中2女子)
「がまんして、お金がかからない場所で遊ぶようにする」(高2女子)
「家の手伝いをして親からもらう」(中2男子)
子どもたちの多くは、おこづかいの追加要求をせずに、自分自身でやりくりしているようです。子どものくらしとお金に関する調査(15年度)の回答結果でも、「次のおこづかいまで我慢して節約する」が最も多く、「貯めておいたおこづかいやお年玉などを使う」「親や祖父母からお金をもらう」が続きました。
「おこづかいが足りなくなったらバイトして稼ぐ」という高校生も多くいますが、目を引くのは、「スマホのアプリなどを使って稼いでいる」という声です。
◆足りなくなったら稼ぐ
「おこづかいは毎月5000円もらっていますが、それだけでは足りないので、メルカリでモノを売って稼いでいます」
横浜市の中学2年生のA香さんは、好きなアイドルグループのグッズを買ったり、友達と外食に行ったりし、あっという間におこづかいを使い切ってしまいそうです。そして、おこづかいが足りなくなると、利用者同士が不用品などを売買できる「メルカリ」で稼いでいるというのです。
A香さんは、あるアイドルグループのCDを15枚ほど買い込んでいました。アイドルと握手ができる付属のカード目当てで大量に購入したのです。CDはメルカリで売ってしまうそうです。
「私がメルカリをやっていることは親も知っています。トラブルがあったら必ず相談するように言われています。でも、今のところ大丈夫です」とA香さんは無邪気に話します。
◆フリマアプリ利用経験6割
フリーマーケットのような売買ができるアプリを「フリマアプリ」と言います。
市場調査会社「MMD研究所」と「スマートアンサー」が共同実施した「フリマアプリに関する利用実態調査」(2017年)によると、スマホを所有する2428人の10代のうち、フリマアプリを「現在利用している」としたのは41.0%、「過去に利用したことがある」は18.7%でした。利用経験があるとする10代が約6割に上ることを考えると、フリマアプリとおこづかい稼ぎは切っても切れない関係といえそうです。
「おこづかいが足りなくなると、自分のトレーニングウェアやお父さんが着なくなった洋服を売って稼いでいる」(高2男子)
「いらない服などを売って、多いときは月に4000円くらいになる。もっと稼いでる友達もいる」(高3女子)
スマホを使い慣れた中高生にとって、フリマアプリは手軽に稼げるアルバイト感覚なのかもしれません。
ただ、フリマアプリではトラブルもあり、国民生活センターには次のようなトラブルの報告があります。
「ブランドTシャツを購入したが、届いたのは偽物だった」
「期限切れのチケットが届いた」
こうしたトラブルに巻き込まれるおそれがあります。個人間の取引の場合、トラブルは当事者間で解決しなければならないケースもあります。中高生に自己責任を求めるのは難しいでしょう。親子の間で次のようなルールを設けることが不可欠だと思います。
・会員登録が必要なサイトへの登録は親の許可を取る。
・取引相手が信頼できるか、プロフィルや評価リポートを事前にチェックする。
・少しでも不安を感じたら、すぐに親に相談する。
◆子どもの金銭教育のコツ
「息子が中学になってから、どこで何にお金を使っているのか把握できなくなった」
「もう中学生だし、財布やスマホの中まで監視するのはちょっと……」
「高校生になってから金銭教育なんて遅いのではないか」
中高生の保護者に子どもたちのおこづかいについて聞いてみると、使い道や金銭管理にはもう一歩踏み込めないといった悩みを抱えています。
子どもが中高生になると、行動範囲や交友関係が広がり、親の目が行き届かないケースもあるでしょう。多感な年頃なので、しつこく問いただせば、うっとうしがられてしまうかもしれません。親の目を盗んで、悪事に走るおそれもあります。
◆お金の話は「はしたない」?
日本では、お金の話はタブー視される傾向があり、親が子どもに家庭の経済事情を伝えることもほとんどありませんでした。お金の話をするのは「はしたない」とさえされていました。
しかし、賢い買い物のコツ、投資・貯蓄の方法、家計管理、将来設計など、生活者として自立した生活を送るためのマネーリテラシーが求められています。金銭感覚に疎いまま大人になれば、ムダ遣いや借金を繰り返したり、詐欺まがいのトラブルに巻き込まれてしまったりするリスクがあるのです。
親は一体どうしたらよいのでしょうか。中高生の子どもを持つ筆者自身の経験を踏まえてポイントを5つにまとめました。
<1>子どもと話し合っておこづかいの額を決め、その中でやりくりさせる。
<2>話し合うときは、親の考えを押し付けず、必要な金額を子どもに考えさせる。
<3>お金の話をタブー視せず、お金に対する親の価値観や家の経済事情を伝える。
<4>スマホアプリなどを使ったおこづかい稼ぎは、親が最大限に注意を払う。
<5>親自身もマネーリテラシーを高められるよう努力をする。
子どもの金銭教育講座を開催している「キッズ・マネー・ステーション」代表の八木陽子さんは、「金銭教育は早く始めるに越したことはないですが、中学生や高校生からでも間に合います」とアドバイスしています。親が諦めずに伝え続けることが大切です。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180401-00010000-yomonline-life
みんなのコメント
小学生の頃友達が毎月1万円お小遣いを貰っていた事に衝撃を覚えましたが、使い方を教わらないと大人になっても、あるだけ使ってしまうので、恐ろしいですね。
予算を決めるのは大人でも苦労しますが…
小遣いは多かった。中学時代に5000円~8000円
欲しいものは別途@東京オリンピック数年前
私服や靴や遊ぶ金が必要?
土日は部活だし、部活引退したら毎日受験勉強、土日は学校で模試だろう。あと、そもそもド田舎だったので、ユニクロ、マック、ファミレス、カラオケなど存在しなった。
カセットに録音した音楽聴くか、自転車でサイクリングするのが唯一の遊びだったよ。今の都会の子は恵まれ過ぎている。
10年以上
小銭を貯めても意味ない。子供の時の1万と大人の1万とではまったく価値が違う。
子供の頃お年玉を無理矢理貯金させられたが、大人になって十数万を手にしてもな…
スマホなどで安く済ませるって
そのスマホが高いんですけど
それは見て見ぬ振り?
ナニを連想しろと?
いろんな条件があるがオレは30件配るだけで月1万5千円のやってた。
30分以内で終わるけど毎日朝起きないとイカンのと雨の日が辛いけど。
一週間¥1000
周りの友達は、¥5000でしたが、友達にお小遣い事情を言うと恥ずかしかったです。
その一方、毎日¥200貰っていて、飲み物やお菓子代として使ってました。
高校だけでなく、専門学生の時もお金事情は変わらなかったです。
当時、CDを買うとなると流石にアルバムは買えなかった。
でも、年間でのお年玉等を含むを含むのお小遣いはいくらなんだろう?
今の高校生の小遣いって随分少ないな。
もっとも部活と勉強(塾は行ってない)に明け暮れていたからカネ全く使わなかったな。せいぜい部活の試合帰りにジュース1本買うかどうかをためらったくらい
うちは出せません。。
入学で6万ほど制服等に使って、教材台で3万円ぐらい簡単に飛んでいく。チャリンコ代で3万円、、いつの間にか財布空っぽ。食費水道光熱費、固都税、保険、いつの間にか貯蓄もない、、
スマフォは百害あって一利ぐらいしかないので、買いません。LineとかのやりとりはタブレットPCでOK。
携帯代があるから増えてんのかな
小学生や中学生にスマホはいらんら、
500円が1万になるで
でも、それを考えてやりくりしたり今日は帰るわ~とか断れるような人間になってほしい。
いい気になってつき合ってると月末苦しくなると気づかせるのが大事だと思っている。
学生のお小遣いと働き出してからの給料のやりくりは一緒。
まだ時給が500円台だったな
イジメの対象にも成るし、
中学生でも半分以上は持ってる。
小学生でも持たせてる親も居るらしいから、
親も大変だね。
高校生で友達と集まって夜に外食、カラオケ
自分の子が大きくなったとき、それを許可できるかなぁ
でも、禁止して隠れて行かれるのもどうかと思うし
高卒ですぐ就職した。
大学に行きたいって思った事すらない。
学力なかったからそもそも大学に行くって考え自体なかったなぁ(笑)
500円で売却した時
500円を稼いだと言うのか疑問
高校生の世界だと稼いでるになるのかな?
フリマアプリでいらない物を
少しでもお金に変えることができて
捨てるよりは良いというなら分かるんだけど。
大学はFラン大学に進学するような高校生は
お金が欲しいなら短時間でもアルバイトしよう。
旧帝大に進学するような子は勉強時間が
ブラック企業で働くサラリーマンみたいだから
大学生になるまで我慢しよう。
足りなくなったら手伝いですね。
メルカリやフリマは最初は親や自分のものを売るだけで金になるけど、売るものが無くなってきたら強引に売るものを見つけるようになる可能性も高い。
儲かってるという間違った感覚を身に付けてしまう。
本来は仕入れも発生してその差額を理解した上でやらせるか、不要品の処分という認識をキッチリ教え込まないと必ずおかしくなるよ。
アプリで銀行口座や電子マネーとの連携、レシートの読み込みとか、めちゃ便利。
家計簿に全く縁がなかったけど、改めて収支を見ると、統計が見れて自分が何にお金を使っているのか分かるのが面白い。
節約というより、使用しているお金の配分が自分の想像と近いのか、確認しています。
普通は…とか
まわりは…とかどうでもいい。
どうして家族で話したりして
自分達のやり方を決めないのだろう。
決めて、それを守らせるのが
躾であり教育だろうに。
それを貯めて本やらなんやら買うのが楽しかったな?