バーレーンのマナマで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は30日、約250年続いたキリスト教禁制と独自の信仰の歴史を示す「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎県、熊本県)を世界文化遺産に登録することを決めた。
事前審査を担うユネスコ諮問機関のイコモスから助言を受け、当初の推薦書を見直したことが奏功した。日本国内の世界遺産は昨年の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)に続き22件目。文化遺産が18件、自然遺産が4件となる。
潜伏キリシタン遺産は、現存する国内最古のキリスト教会の国宝「大浦天主堂」(長崎市)や、禁教期に形成された集落など12の資産で構成。神社の氏子を装ったり、離島に開拓移住したりなど多様な潜伏のしかたを表している。
政府は当初、キリスト教解禁後に建造された教会堂の建物を中心に、伝来から約400年の経過を示す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として、平成27年1月に推薦書を提出。28年夏の登録を目指した。だが、イコモスから禁教期に焦点を当てるべきだとの指摘を受けて見直した。新たな推薦書を29年2月に提出し、イコモスが今年5月、登録を勧告していた。
構成資産の多くが人口減少と高齢化の著しい離島や半島にあり、遺産を保護する担い手の確保が課題となっている。
政府は来年の文化遺産登録を目指し、国内最大の前方後円墳「仁徳天皇陵古墳」(堺市)を含む「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」(大阪府)を推薦している。今年6月に推薦を取り下げた自然遺産候補「奄美大島、徳之島、沖縄北部および西表島」(鹿児島県、沖縄県)について、環境省は早ければ32年の再挑戦を目指す。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180630-00000534-san-life
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