東京都内に住むアラフォー男性のシュウヘイさん(仮名)。長年の独身生活に今年、終止符を打ちました。それまでは出版関係の仕事をしながら、独身貴族を謳歌し、結婚することで自由が奪われると思っていました。そんな生き方をやめて「結婚しよう」と思った理由は何なのでしょうか。本音をつづった文章を寄稿してもらいました。
ひとりの時間が大切だった
誰にも邪魔されないひとりの時間が、何よりの安らぎだ。そう思って過ごしてきました。編集者&ライターの仕事もそれなりに充実していたし、飲みに行く同僚や友人もいる。思いつきで計画も立てずにひとり旅に出かけたり、マンガや小説に影響されて、
続きもしない習い事を始めたり。そんな好き放題も、独身の身軽さゆえにできること。結婚なんてしないほうが楽だし、自分の人生を存分に楽しめるのではないかと思っていました。
そんな私ですが、38歳になった今年、結婚しました。その理由は……。
(1) ひとりを満喫し尽くした感覚
人生にとってひとりの時間は、本当に大切だと思います。実際、私も30代後半に至るまでに存分に好きな本を読み、好きな映画を観てきました。
海外も20カ国以上旅しましたし、国内もほとんどの県を回り、「いつかこの目で見てみたいな」と思っていたスポットの多くを、実際に訪れました。多くはひとり旅です。
で…。ある時、こんな感覚に襲われたんです。「もう、十分なんじゃね?」
かつては何より心が躍ったはずの海外旅行も、もう、あらかた行きたかった国には行ってしまって、残っているのは治安が悪そうな国か、
今まで行った国々の「2周目」に入るか…。本や映画も、興味があるものはまだまだあるけど、結局、無限のインプットを繰り返しているに過ぎないわけで、ワンパターン。これは、何か生活に変化が必要なんじゃないか、と思ったわけです。そう、たとえば結婚とか。
(2) 友だち結婚していく問題
これはベタな理由だと思いますが、周りの30代男子は次々と結婚していき、多くは子どもを持ちます。そうすると、みんな家庭に忙しくなって、単純に遊び相手がいなくなってくる。
20代のころは同世代の友人グループで休日に小旅行に行くこともありましたが、今や遠出なんて無理。深夜までハシゴ酒をすることもなくなり、みんな1軒目でイソイソと帰宅していきます。つまらん。
自分は、「早く結婚したほうがいいよ」的な友人の言葉は比較的、ストレスなく受け流してきました。家族写真の年賀状を送られても、Facebookで子育て自慢されても、あまり気になりませんでした。でも、友人と楽しい時間を過ごせる機会が減っていくというのは、ちょっとつらい。年を追うごとに独身であることのメリットが減っていき、デメリットが上昇していくように感じてきました。
(3)「ドラクエ」的人生観の呪縛
80~90年代に子ども時代を過ごした私は、完全な「ファミコン世代」。子どもの時は、攻略本片手にテレビゲームに夢中になっていました。陳腐かもしれないけど、それが、いわば「原体験」です。
で、少年時代の私のモットーは、プログラムされたすべてを「遊び尽くす」ということ。大好きだったRPG「ドラゴンクエスト」では、すべての村人に話しかけてすべてのセリフを読まないと気が済まなかったし、宝箱も、「ひとくいばこ」(罠)だと分かっていても、全部開ける。
その他のゲームも、いわゆる「裏面」「裏ステージ」の類いがあると知れば、すべて到達する、コンプリートすることに快感を見いだしていました。
長じて大人になっても、海外旅行に行くとついつい強行日程を組んで、なるべく多くの歴史スポットをめぐることに最大の力点を置いてしまう。「三つ子のコンプリート欲百まで」です。
何が言いたいかというと、人生を一つのゲームと考えた時、私の人生には「独身ステージ」だけではなく、「既婚ステージ」「子育てステージ」など様々な展開が、
潜在的には用意されているわけですよね。「独身ステージ」でひたすらレベル上げして「無双状態」を目指すのはそれはそれで一つの選択だし、喜びもあるでしょう。でも、もしその先に「既婚ステージ」や「子育てステージ」も存在するのだったら、それがどんなものか味わってみたいな、という好奇心が強く沸いてきました。
ましてこのゲーム、死んだら終わりで、1回きりしか遊べないんですから。行けるのに行かないのは、もったいないんじゃないかという感覚がありました。
結婚したことを後悔していない
以上のような理由から独身生活に別れを告げる決意をして婚活を始めた私は、きっと運が良かったのでしょう、2年後には既婚者となっていました。それから半年。結果、どうなったか。ひとりの時間は減りました。思いつきの自由旅行も、当面は厳しいでしょう。友達と朝まで飲みにいくのも、もう無理かも。この辺は正直つらいです。
でも、家に帰れば話し相手がいるというのは悪くないし、確かに安らぎます。ひとりでは絶対行かなかっただろう映画や展覧会、旅行先に妻と行くと、新たな世界が開けます。良いこともたくさんあります。
プラスマイナスすると、うーむ…、生活はひとりのほうが絶対気楽で良かった。やっぱり自分はひとりが好きだったんだなぁ、とあらためて実感します。
今よりもうちょっとひとりの時間が確保できれば、より幸せになるのかもしれない。でも、自分の人生の「既婚ステージ」が見たかったのは自分だし、この先、お互いが居心地がいい生活スタイルを築いていくのは、それこそ自分と妻との共同作業なのかも。後悔はしていません。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180812-00010000-danro-life
みんなのコメント
1人でいて楽しいことなんかひとつもないのに、このひと、
別に親に言えるならよろこんで結婚するだろいつの年でも、それは俺か
ほんと羨ましいよ結婚してる子みんな、
まして赤ちゃんいたらやばい死にたくなる
まだ生きてるか