総務省が公表した世界主要6都市のスマートフォン通信料金の比較調査で、日本の通信料金が国際的に高水準であることが改めて浮き彫りになっている。
官房長官は料金値下げに意欲を燃やし、総務省も値下げにつながる携帯電話市場の見直しを進める考えだ。ただ、国内の携帯電話大手からは反論も上がっており、着地点は見えない。
総務省が19日発表した平成29年度の電気通信サービスの内外価格差調査によると、シェア上位3事業者の最安値を比較した場合、1カ月のデータ利用量が20ギガバイトのスマホの月額利用料は、東京が月7022円と世界の主要6都市で最高だった。
ニューヨークが6975円、ドイツ・デュッセルドルフが5049円、ソウルが5009円と続いた。最も安かったのはパリで2460円だった。
また各都市でシェアトップの事業者(東京はNTTドコモ)の料金を比較しても東京の高値は際立つ=グラフ。東京は20ギガバイトと5ギガバイトで世界トップ、
2ギガバイトではニューヨークに次いで2番目の高さだ。さらに直近の数年でニューヨークやデュッセルドルフなど各都市の料金が大幅に下がったのに対し、東京は横ばいで高止まりしている。
菅氏は21日、携帯大手3社が9割のシェアを持ち、7千億円前後の利益を上げているとして、「どう考えてもおかしい」と批判。
8月にも経済協力開発機構(OECD)各国の携帯料金に関する資料を根拠に、「(日本の料金は)4割程度下げる余地はある」と述べた。
このOECDの資料は携帯電話の利用実態が異なる多様な国の比較調査で、結果に疑問の声も出たが、今回、総務省の調査でも国際的な高値が明らかになった。
野田聖子総務相は今月21日の閣議後会見で「東京の大手携帯会社のスマートフォンの通信料金は総じて海外に比べ高く、料金が下がる傾向も鈍い」と認めた。
一方、携帯電話大手は設備投資などを理由に料金の正当性を主張。ドコモの吉沢和弘社長は21日、「料金は(サービス全体への)納得感もある。
長く使っている人は安くなるが、それらが加味されていない。日本や弊社の料金が著しく高いとは思っていない」と真っ向から反論した。
総務省は料金の値下げやサービスの充実につながる携帯電話市場の競争促進や、政策や規制の検証を進めるが、調整は難航しそうだ。(高木克聡)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180923-00000544-san-bus_all
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