地震による建物の揺れを抑える免震・制振用オイルダンパーのトップメーカー、KYBが性能データの改ざんを公表してからわずか1週間。今度は2005年に同様の装置の出荷を始めた後発の川金ホールディングスで不正が発覚した。
国土交通省はオイルダンパーメーカー88社に対し年内を期限に報告を求めているが、急きょ報告の一部を前倒しし、社内調査の結果を週内に提出するよう要請。業界内に不正がまん延している実態が明るみに出る恐れは拭えない。
川金とKYBはいずれも、納期を守るために改ざんに手を染めた。性能検査で安全性基準に満たなかった場合は装置を分解して部品を調整した上で、再び組み立てる必要があった。
この作業にはKYBで3~5時間、川金では「半日から1日近くかかる」(鈴木信吉社長)といい、相次ぐ震災で装置の引き合いが増える中、手間を惜しんで顧客を危険にさらす悪質な不正が横行していた。
また、2社はともに検査が現場任せになり、監視が行き届かなかった点でも共通している。その一方で、KYBの検査員が改ざんの手口を口頭で引き継いでいたのに対し、川金はこうした申し送りを否定した。だが、これまで関わってきた3人の専任検査員がそれぞれ同じ不正を思い付いたとは考えにくい。
記者会見で鈴木社長は、自身がトップを務める社内調査委員会で改ざんが組織ぐるみだったかどうかも含め、実態解明する考えを示した。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181024-00000028-jij-bus_all
みんなのコメント