このお店の前を通らない日はないと言っても過言ではなく、今や日本全国に約1300店舗を展開をしているスターバックスコーヒー。皆さんは日頃から駅前などの一等地に展開しているスタバを見て「なぜ1杯300~400円のコーヒー店がこんな家賃の高い場所に出店できるんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
今回はそんな皆さんの疑問に応えていきたいと思います。スターバックスコーヒージャパンは2015年に上場廃止となっていますので、それ以前の決算資料などからスタバの強さを見ていきます。
飲食店を分析するスキーム
まず飲食店の経営分析を行う上では「FL比率」という指標が重要になります。Fは「Food cost」の頭文字で売上原価(食材費)という意味、Lは「Labor cost」の頭文字で人件費を意味します。つまりFL比率とは原価率+人件費率の合計となります。
一般的に飲食店では売上高に対してFL比率で60%以内、さらに家賃も含めたFLRコスト比率(Rは「Rent」で賃料)で70%以内に収めるというのが重要とされています。
さらにFL比率を55%以内に抑えられている業態はかなり優れたビジネスモデルといえます。もちろんこれらの指標は業態や出店場所などによって変わりますので、あくまでも一つの経営指標として捉えてください。
スタバの決算書はどうなっている?
それでは、スターバックスコーヒージャパンの14年3月期の決算(非連結)を確認してみると、F=原価率は28.3%、L=人件費率は26.7%となっています。つまりFL比率でちょうど55%、まさに飲食店のお手本のような業態です。
先ほど説明したようにFLR比率で70%に収めるのが一般的な飲食店の経営指標ですので、FL比率が55%である同社は理論上では賃料に15%ものコストをかけられます。
では同社の1店舗当りの売り上げはどのくらいあるのでしょうか? 14年3月期の売上高は1256億円となっています。
この段階での店舗数が1034店舗ですから、単純計算でも1店舗平均で年間1億2000万円、月商1000万円の売り上げがあるということです。
しかし、この1034店舗には店舗での売り上げが全て計上されないライセンス店舗が含まれていますので、実際にはもっと1店舗当りの売り上げが高いということになります。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180802-00000004-zdn_mkt-bus_all
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