「当店は禁煙席をご用意しておりません」
「喫煙席」ではなく「禁煙席」を用意していないことを伝えるシールが喫茶店の入口に貼ってある。しかも、その店舗は個人経営の喫茶店ではなく、東京都を中心に100店舗以上を展開するチェーン店なのだ。
これだけ受動喫煙による健康被害や分煙の必要性が叫ばれている中で、“完全禁煙”ならぬ“完全喫煙”の店舗が都内に残っているのだ。
喫煙者に支持されるベローチェ
リクルート住まいカンパニーが毎年実施している「住みたい街(駅)ランキング」で常に人気の吉祥寺駅(東京都武蔵野市)から徒歩5分の場所にある「カフェ・ベローチェ吉祥寺店」。店内に足を踏み入れると、金曜日の午後5時ごろ、
20人弱のお客がいたが、ほとんどがタバコを吸っていた。念のため店員に確認したところ「禁煙席はない」という。公式Webサイトで店舗検索をすると、
都内で分煙を行っていないのは吉祥寺店のみだった。ベローチェを運営するシャノアールの広報担当者によると、「(吉祥寺店は)店内の設備や工事の都合で、たまたま分煙されていないだけ」だという。
記者は喫煙者であり、取材の前後に都内のベローチェで一服することがあるが、店内の喫煙席でタバコを吸うお客の割合は他のチェーンより多い印象がある。
また、ネット上には「喫煙者にやさしい」という口コミが複数ある。広報担当者は「喫煙者を特別意識した戦略は採用していない」というが、吉祥寺店の存在が象徴するように、ベローチェは多くの喫煙者に支持されるカフェチェーンだといえるだろう。
都内を中心に店舗を展開し、喫煙者によく利用される代表的なチェーンは「カフェ・ベローチェ」と「喫茶室ルノアール」だ。
ルノアールは2018年8月時点で全87店舗のうち都内に77店舗を展開しており、都内の全店で喫煙が可能だ。
同様に、ベローチェは全172店舗のうち都内に104店舗を展開している。公式Webサイトで喫煙ができる店舗を検索すると、104店舗のうち89店舗で喫煙が可能だと表示された。
18年6月に東京都の受動喫煙防止条例が成立した。原則屋内禁煙とする内容で、同年7月に成立した改正健康増進法よりも厳しい基準を課している。
この条例が施行されると、喫煙者が集う都内のコーヒーチェーンは追加の設備投資が必要になったり、売り上げに少なからぬ影響が出たりすることが予想されるが、どのように対処するつもりなのだろうか。
ベローチェとルノアールの担当者に今後の対策を聞いた。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180809-00000004-zdn_mkt-bus_all
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