「これだけ注目されて……不安ですね。心配です」
夏の甲子園で話題をさらった金足農(秋田)のエース吉田輝星。その恩師・八戸学院大の正村公弘監督(54)は、日刊ゲンダイの直撃にこう言って複雑な心境を漏らした。
100回記念大会に彗星のごとく現れた「公立農業高校の星」は、予選の秋田大会から甲子園準決勝まで10試合連続完投。5回で降板した決勝まで計11試合で1517球の熱投に、テレビのワイドショーまで大騒ぎだ。
秋田勢103年ぶりの決勝進出に地元はさらに大フィーバー。23日、決勝戦と重なって急きょ延期されていた始業式が高校で行われ、その後に開かれた報告会では全校生徒約500人に加え、保護者や地域住民など約1000人が詰めかけた。
吉田が挨拶に登場すると、大きな歓声と拍手。「準優勝でしたが、日本一の、全国制覇にふさわしい応援をしてくださったと思っています」と感謝を述べると、再びヤンヤの大歓声である。
想定外の快進撃に滞在費がかさみ、野球部OBが追加の寄付金捻出に奔走。それがテレビなどで大々的に報じられると、全国各地から集まった寄付金は約1.9億円(21日時点)にのぼった。当初の目標金額は5000万円だった。
一躍、時の人となった吉田だが、甲子園の開幕前までは進学が有力視されていた。というのも、昨年10月から定期的に正村監督の指導を受け、直球を生かすためのスライダーと疲労が蓄積しづらいフォームを習得。おかげで投手として飛躍的に成長。吉田も金足農の中泉監督も恩義を感じ、その恩師が率いる八戸学院大への進学が内定していたのだ。
正村監督が言う。
「吉田は野球に対する姿勢が真面目で、とてもいい子です。去年の夏に秋田大会決勝で(明桜に)負けて悔しい思いをしていた。それも成長につながったと思います。技術的に一番気になったのは投球フォームでした。下半身をきちんと使えるような無駄のない投球フォームに変え、そこからブレないよう土台がしっかりした」
■約束は「多少なりとも分かってくれると」
正村監督は、金足農の嶋崎久美前監督から依頼され、“本業”である大学の指導の合間を縫って、青森から秋田へ計30日間ほど通ったという。
しかし、愛弟子は一気に甲子園のスターへ。プロ12球団が「ドラフト1位で消える逸材」と口を揃え、すでに楽天や広島など6球団以上は1位指名を検討する今秋ドラフトの目玉になった。
23日にスカウト会議を開いた日本ハムの大渕スカウト部長も「球団としても個人としても能力が高い選手だと思っている」と高い評価をつけた。
プロの高評価と予想される今後の大攻勢に、内定していたはずの八戸学院大への進学はにわかに不透明に。そんな状況に、正村監督は冒頭のように懸念を口にしたのだ。
日刊ゲンダイ記者の直撃に正村監督は続けた。
――これだけ注目されて、どんな心境か。
「一番は不安ですね。心配です。これだけ注目されていることもそうですし。今後のことも。ただ、僕らは『待っている』としか言えない。(八学大に)来てくれると信じています」
――進学の「約束」についてはいつ頃から。
「どうでしょうか……。いつ頃というか、要所要所で話したつもりで、多少なりとも分かってくれていると思っています。本人がどこまで理解してくれているか分かりませんが……」
――「巨人に行きたい」という発言もありました。
「プロは意識しているかもしれない。大学で4年やってからプロに行った方がいい、とかそういうのはありません。高卒で行ったから良かった、悪かったというのは結果論ですから。やってみないと分からない。上のステージに行っても頑張って欲しいと思っています」
――秋田に凱旋した。大会後、吉田選手とは会ったり話したりしたのか。
「いや、まだ本人とは話していません。今後、そういう環境になればゆっくり話したいと思っています」
今後の進路について、この日、改めて「余韻に浸っている段階で、まだ進路は決めていないですけど、野球は続けて次のステージでも成長していきたい」と話した吉田。恩師の不安は続く。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180825-00000015-nkgendai-base
みんなのコメント
正直、吉田君のプロ入り心配はあります?今のプロ野球で一軍で成功するだろうかと?先ずは身体作りからスタートして二軍で確り調整出来ればやっていけると思いますが、
もし無理して投げて肩壊す様になればしないかと心配なんです!プロ野球のスカウトの人に寄ってはその心配している人も居ます?パンダにならない様に育てて貰いたいものですね?大学へ行き、身体作りからスタートしても遅く無いと思っています!