アルコールの消費市場が縮小する中、日常的にお酒をたしなむ40歳以上の女性の割合が増えている。厚生労働省の調査では、40代女性の飲酒習慣率(週3日以上、1合以上の量の酒を飲む人の割合)は20年間で5・7ポイント上昇し、15・6%と大幅に伸び、
20代男性の飲酒率(10・9%)よりも高くなっている。男性全体でも飲酒率は下がる傾向にある一方で、お酒を飲む女性は増えており、ニッセイ基礎研究所の主任研究員、久我尚子さんは「男性は健康志向で飲酒量が減ったが、女性は社会進出が進んで、
お酒を飲む機会が増えたためだと考えられる。あわせて、女性が好むような商品をメーカーが作り、お酒の種類が充実。女性が入りやすいバーなどの飲食店も増えている」と話している。
■男性の飲酒率は低下
日本のアルコール消費量がピークを迎えたのは平成8年。時代でいえば、企業の中間管理職の多くを団塊の世代が占め、昭和46年~49年生まれの団塊ジュニアと呼ばれる世代が大学を出て、社会人として働き始めたりしたころにあたる。
バブル経済は崩壊していたが、先輩や上司につれられて、長酒をともにする「ノミニケーション」の会社文化が色濃く残っていた。
平成8年から20年後。28年度の酒類全体の販売(消費)数量は、966万キロリットルから841万キロリットルと13%減少した。特定健康診査(メタボ検診)が始まり、「健康志向の高まりで、アルコール摂取を控える男性が増えた。酒を飲む会合も減ってきている」(久我さん)と考えられている。
8年当時の男性全体の飲酒率は52・5%から33%に低下。40代男性63・3%から37・9%、20代男性は36・2%から10・9%にまで下がった。
■仕事帰りに一杯
飲酒率が男性では低下したのに対して、逆に女性は1ポイント上昇し、8・6%と微増を記録した。とりわけ、40代女性の伸び率が著しい。
「職場から自宅に帰れば、服を着替えてまず一人でビールを飲んでから、夕食を作るのがほぼ日課」。大阪市の40代の女性会社員はこう話す。
「一度、座り込むと、疲れが出て、そのまま動けなくなる」といい、家事に入る際のスイッチとして、飲酒が習慣になっている。「社員同士でラーメン店にいけば、生ビールを注文するけれど、自分は家呑みが中心。主婦友達同士の方が、盛んに飲み会がある」。
大阪市内の居酒屋経営者は「中高年の女性の飲み会は珍しい行事ではなくなっている。子供が成人して子育てが一服した女性同士の同窓会も多い」と話す。
男女すべての年代の中で、飲酒率の伸びが最も高かったのは40代女性で、9・9%から15・6%に上昇した。
次いで50代女性で8・4%から12・4%に。60代は5・3%から9・9%、70代でも1・9%から2・1%と、40歳以上の女性の飲酒率が軒並み上昇した。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180827-00000506-san-bus_all
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