体操の2016年リオデジャネイロ五輪女子代表、18歳の宮川紗江選手が日本体操協会幹部からパワハラを受けたと主張した問題で大揺れの体操界。
宮川選手が告発した対象となった塚原千恵子女子強化本部長(71)と夫で協会の副会長でもある塚原光男氏(70)が反論の文書や音声を公表するなど泥沼化の様相を呈しているが、そもそもなぜこのような事態に至ったのか。
「報道プライムサンデー」が現役の指導者や体操関係者を取材したところ日本女子体操界の「ひずみ」と「闇」が見えてきた。
「塚原判定」で前代未聞の“ボイコット騒動”
1991年11月。山形県で行われた全日本体操個人選手権。異変は、競技中に起きた。
観客席にいる選手たちが会場を後にしていく。中には泣いている女子選手もいる。さらに競技中にもかかわらず、スタンドに掲げられた体操クラブの旗をコーチが外し始める。当時女子競技委員長だった塚原光男氏がその様子を不満そうに見つめている。そして選手とコーチたちはそのまま会場を去っていった。
参加した女子選手91人中55人が大会をボイコットするという前代未聞の事態となったのだ。
当時、塚原光男氏と妻の千恵子氏は朝日生命体操クラブを率いていた。実はこの大会で塚原夫妻が自身の所属するクラブの選手に有利な採点をしたのではないかと抗議のためのボイコットだった。その時の様末を、ボイコットした元女子体操選手は「(塚原夫妻が運営するクラブの選手が)段違い平行棒の規定演技で落下をしてしまいました。でも、失敗したにも関わらず、点数が高かったんですね」と明かす。
ロス五輪金メダリストの森末慎二氏によると、当時も日本女子体操界は「塚原体制」と言っても過言ではなかったと振り返る。
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「今、流行りの言葉で言うと“塚原判定”。そのときは塚原千恵子さんが、主任審判ということで審判の一番偉い方で、(塚原夫妻が運営する)朝日生命体操クラブの選手には点が出る、そうでないところには点が出ない、という形の状況を作ってしまって」当時、ボイコットしたコーチは「半年前なら半年前に『こういう(採点方針の)方向で大会を行いますので、皆さん頑張ってください。』という言われ方をすれば、どれだけ減点されようが、それは納得した上で競技会に出てこられる。
そうじゃないというところにみんな不信感を抱いている」と話し、別のコーチも「ホントに、毎日練習してきて、それを正当に評価されないという、そのことの方が、選手がかわいそうではないかと」と、FNNの取材に答えている。
一方、激しく上がった抗議の声に、塚原光男氏は当時の取材でボイコットは卑劣だと反論していた。
「本当に純粋に選手のですね、あるいは日本の強化の為にとおっしゃるのならば、甘んじてこれを受けます。ただそうでないならば、この卑劣な手段に対して、私はちょっと許せません」
そう語る塚原光男氏は、当時、女子競技委員長だった。体操協会を震撼させた27年前のボイコット事件。
結局、塚原光男氏が女子競技委員長を辞任する形となったが、実は、不満が爆発する背景には、塚原夫妻が運営する体操クラブによる選手の“引き抜き”があったという。引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180903-00010008-fnnprimev-spo
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