【フロリアノポリス=ブラジル南部=時事】国際捕鯨委員会(IWC)は14日の総会最終日、商業捕鯨再開を目指した日本の提案を反対多数で否決した。
日本はクジラの生息数など科学的データを基に再開の正当性を主張したが、欧米など反捕鯨国の反発は収まらなかった。採決後、日本政府は「あらゆる選択肢を精査する」と表明、IWC脱退を示唆した。
日本の提案は棄権などを除き、反対41、賛成27で否決された。IWC加盟全89カ国のうち、日本の主張に近いはずの捕鯨支持国(41カ国)の6割強からしか賛同を得ることができなかった。商業捕鯨の再開は将来的にも難しい状況だ。
日本は捕鯨再開に加え、反捕鯨国が求める禁漁区の設定など「重要事項」を決めやすくする仕組みも併せて提案。捕鯨支持国と反捕鯨国の勢力が反発し合い、協議が行き詰まっているIWCの改革を訴えた。
否決後、谷合正明農林水産副大臣は反捕鯨国から日本提案に「建設的な対案が示されなかった」と批判。「日本はあらゆるオプション(選択肢)を精査せざるを得ない」とIWC脱退の可能性に言及した。
仮に日本がIWC脱退を決めた場合、国際的な批判が高まるのは必至。国際ルール上、南極海での調査捕鯨を継続することも困難になる。
日本政府は国際世論と商業捕鯨再開を求める国内漁業関係者との板挟みとなり、難しい立場に追い込まれる。
日本は否決が確実な採決には持ち込ませず、明確な反対が出ない限り認められる「コンセンサス合意」の形での決着を目指した。
ただ、オーストラリアなどが「商業捕鯨の需要は減っている」と日本案に相次ぎ反対を表明。総会での採決を余儀なくされた。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180914-00000176-jij-int
みんなのコメント