日銀が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)で企業の景況感が3期連続で悪化した1日、日経平均株価は続伸し、終値でバブル後の高値を更新する対照的な動きを見せた。両者の違いの背景を探ってみた。
―景気の現状は?
短観は企業に景況感や業績見通しなどを尋ねる調査。最も注目される大企業製造業の業況判断指数(DI)は、景況感が「良い」と回答した企業割合から「悪い」の割合を差し引いた数値で、
前回調査より悪化した今回もプラス19と「良い」が「悪い」を大きく上回った。米中摩擦激化などで、経営者の不安心理が増しているのは確かだが、景気そのものは決して悪くない。
―株価が上昇したのはなぜ。
米国株が史上最高値圏まで上昇し、日本株の割安感が増したことが大きな要因として指摘されている。世界の金融市場は一体化が進んでおり、日本株は米国株の影響を受けやすい。
―経営者と投資家、どっちが正しい?
一概には言えない。短観に回答する企業経営者
は物事を保守的に見る傾向が強い。みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也さんは「経営者の目は貿易問題など先行きの景気悪化につながる材料に向きがちだ」と指摘している。
一方、投資家は利益を得るのが狙い。株高を主導したのは海外投資家とみられ、中長期的な景気見通しとは別に、短期的な値上がり期待で株が買われた面が強い。
―今後の株価はどうなるの。
日経平均は9月に1254円も上昇し、1日もさらに上がったが、持続可能な上昇ペースではなさそうだ。ただ、株価が下がれば買いたくなる投資家も増えるため「大幅下落は考えにくい」(伊井哲朗コモンズ投信社長)との楽観的な見方が多い。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181002-00000023-jij-pol
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