「女性がビルの上から落ちてきた」
2日午後7時過ぎ、東京・新宿の歌舞伎町で1本の110番通報が入った。
「女性がビルの上から落ちてきて、歩行者の男性を直撃した。」
警視庁の警察官と東京消防庁の職員が現場に駆け付け、救助活動が行われた。
歌舞伎町の現場には若い女性と下敷きとなった男性の2人が倒れていた。この事故で女性は病院に搬送されたがその後、死亡が確認され、男性は骨折する重傷を負った。
警視庁はビル8階の外階段に女性の靴や鞄があったことや、目撃情報などから、女性が自ら飛び降り、路上を歩いていた男性が巻き添えになったものとみている。
巻き添え事故は過去にも
実は飛び降り自殺をした際に歩行者などを巻き込んでしまう事故はけっして少なくはない。
警視庁管内だけでも2006年に東京・調布市の大学で当時55歳の女性が飛び降り、下を歩いていた20歳の女子学生が巻き込まれて重傷を負ったほか、2007年には東京・新宿区の雑居ビルから当時48歳の男性が飛び降り、下にいたバイク便の男性にぶつかり、男性が胸の骨を骨折する重傷を負う事故が起きている。
さらに2008年にも東京・立川市で、当時53歳の男性がマンションから転落し、自転車で通りかかった女性が巻き添えになり足の骨を折る重傷を負っている。
2007年 自殺した女性を書類送検
2007年11月、東京・豊島区のJR池袋駅前ビルの屋上から当時25歳の女性が飛び降り自殺し、通行人の男性が巻き添えになって死亡した事故に関して警視庁は、
「人通りが多い池袋駅前で飛び降りれば、通行人を巻き添えにする危険性があることは十分認識できた」と判断し、女性を重過失致死の疑いで容疑者死亡のまま書類送検した。
昨夜起きた新宿・歌舞伎町での巻き添え事故に関して、現場を目撃した人は、「気付いたら女性と男性が倒れていた。
まさか空から人が落ちてくるなんて誰も想像できないので、このような事故に巻き込まれると防ぎようがない…」と話している。
自殺者による歩行者の巻き添え事故。
巻き添えとなった被害者や遺族の心情は察するに余り有るものだろう。また、警視庁のある捜査員も「歩いている際にずっと上を見ている事なんて出来るわけがなく防ぎようがない…」と話している。
このように誰もが行き場のない怒りを感じる事故は、今後二度と起きてほしくないものである。
(執筆:フジテレビ 社会部 警視庁担当 河村忠徳)
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181003-00010008-fnnprimev-soci
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