フリージャーナリストの安田純平さん(44)について、政府は健康が確認され次第、3年4カ月間の拘束の経緯について全容解明に乗り出す。
政府職員も接近困難な紛争地からの邦人救出の裏には、情報収集や交渉を専門に担う「国際テロ情報収集ユニット」の働きがあった。
ユニットは平成27年12月、言語や地域情勢、交渉能力などに習熟した外務省、警察庁など5つの政府機関出身の20人で発足、現在は80人以上が活動する部隊だ。
カタールとトルコに武装勢力との折衝を託したとされる今回の救出について、政府関係者は「情報を入念に収集、分析して協力要請国を選定、独特の駆け引きもしながら進めた成果だ」と指摘した。
これまで邦人救出事案に際しては、外務省や警察庁の緊急チームを軸に解決を図ってきた。テロ情報に特化した常設の専門機関の存在は、海外での邦人の安全管理に厚みを持たせている格好だ。
安田さんをめぐっては、身柄を不当に拘束された被害者として、刑法の国外犯規定に基づき警察が捜査に着手する可能性がある。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)
が平成27年にジャーナリストの後藤健二さんら邦人2人を殺害したとする映像を公開した事件などで、現在も国外犯規定に基づく捜査が行われている。ただ、紛争地などでの捜査や全容解明は事実上、困難だ。
安田さんは16年4月、イラクのバグダッド近郊で武装グループに拉致され、3日後に解放されたが、当時は被害届を出さなかったとされる。
警察関係者は今回についても「交渉で解放されているので、本人が被害届を望まないかもしれない。捜査自体が、交渉の合意内容などに沿わない可能性もある」との見方を示す。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181024-00000581-san-soci
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