した。
日中平和友好条約締結から40年の節目を機に、首相は日中関係の改善基調を安定軌道に乗せ、新段階に踏み出したと内外にアピールしたい考えだ。ただ、沖縄県・尖閣諸島をめぐる対立など懸案は山積しており、どう落としどころを探るかが課題となる。
「私の父安倍晋太郎も当時、官房長官として条約交渉を支えた」。首相は25日、北京の人民大会堂で開かれた条約締結40年を祝う歓迎行事でこう語り、対中関係にまつわる自身の縁を強調。
「日中が進む航路の先には協力の大海原が広がっている。日中友好の船を前へ前へと進めよう」と訴え、両国関係を「新たな次元」に引き上げる決意を示した。
首相は26日の習近平国家主席との会談で、来年を想定した習氏来日に向けた調整加速で合意を目指す。首脳の恒常的な相互往来に道筋を付けたい意向だ。
同日の李克強首相との首脳会談では、両国が協力して途上国を支援するため、対話の枠組みを設けることで一致する見通し。経済大国となった中国と対等な立場で、国際社会の指導的役割を担う狙いがある。
だが、こうした接近とは裏腹に、東シナ海での懸案はほぼ手つかずだ。偶発的衝突を回避する「海空連絡メカニズム」については、早期開設で合意したホットライン(専用電話)の具体化が進んでいない。ガス田共同開発に関する条約締結交渉は中断したまま。
首脳会談に合わせ、両国当局は海難発生時の救助対応などを定めた協定に署名するが、担当区域は設定しない見込みだ。
北朝鮮の非核化に関し、首相は国連安全保障理事会決議に基づく制裁の完全履行を求める考えだが、中国は制裁を緩和すべきだとのスタンス。
米国の保護主義に対し、日中は自由貿易推進で足並みをそろえるものの、日本政府は中国国営企業の動きに懸念を強めている。一連の会談で、どこまで具体的な成果を得られるかは不透明だ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181026-00000023-jij-pol
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