【ソウル=名村隆寛】日本による朝鮮半島統治下で、徴用工として日本の製鉄所で労働を強いられたという韓国人4人が新日鉄住金を相手取り損害賠償を求めた訴訟で、韓国最高裁による判決が30日に言い渡される。
原告は2005年に提訴したが、請求権問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みであり、1、2審では原告が敗訴した。
しかし、最高裁は12年5月に上告審で「個人請求権は消滅していない」と判断。2審判決を破棄し差し戻した。
ソウル高裁は13年7月の差し戻し審の判決で、新日鉄住金に計4億ウォン(約3900万円)の賠償を命じた。
新日鉄住金は「請求権は消滅した」とする日本政府の見解に基づき上告。最高裁は、今年8月末、再上告審の審理を始め、30日にようやく判決が出される。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は徴用工問題について昨年8月に安倍晋三首相との電話会談で「請求権協定により(政府間で)解決済み」との立場を確認した。
しかし、「個人と企業の間では個人請求権が存在するというのが韓国最高裁の判断」とも述べており、「司法の判断」を尊重する構えだ。
個人が訴えを起こそうが、「請求権協定に基づけば個人の請求権は法的には救済されない」というのが日本政府の解釈でもある。
ただ、韓国最高裁が今回、個人の請求権を法的に認め、新日鉄住金に賠償支払いを命じる確定判決を言い渡す可能性はある。
その場合、韓国は協定違反に自らを追い込むことで、日本との関係に深刻な影響を及ぼすことになる。
国交正常化以来の日韓関係は根底から揺るぎ、外交・経済協力への大打撃は不可避だ。韓国国内では財界などを中心に、判決による対日関係の悪化を懸念する声も少なくない。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181028-00000545-san-kr
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