内戦下のシリアに2015年に入国して武装勢力に拘束され、約3年4カ月ぶりに解放されたジャーナリストの安田純平さん(44)が2日、東京都千代田区の日本記者クラブで帰国後初めて記者会見し、「解放にご尽力いただいた皆さんに深く感謝します」と謝意を示した。午前11時ごろ、厳しい表情で現れた安田さん。スーツ姿で、先月25日に成田空港に到着した際には長く伸びていたひげは、短く整えられていた。
冒頭、感謝の気持ちを述べて頭を下げた。さらに「私の行動によって、日本政府が当事者にされてしまったことも申し訳なく思っている」と発言。「何が起こったのか説明する責任がある」として拘束から解放までの経緯を説明した。
安田さんは15年6月、トルコ南部からシリア北西部に越境後、消息を絶ち、シリアの武装勢力が身代金目的で拘束していたとされる。
16年3月に安田さんとみられる男性が英語でメッセージを読む映像が公開され、同年5月には「助けて」と書いた紙を示す画像も公開された。今年7月にも複数の映像が出た。
今回の取材の目的について、安田さんは会見で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に関する情報を事前に得て同組織の内情などを知るためだったと述べた。
会見で配布した資料によると、安田さんは民家や収容施設を約10カ所、移動させられたという。拘束していた武装勢力については「最後まで彼らの組織名は言われていない」と話した。
安田さんは消息を絶ってから約3年4カ月が経過した今年10月25日夜、トルコから帰国。成田空港に到着後、両親と妻の深結(みゅう)さんと再会を果たし、その後、心身に負担があるなどとして病院に入院していた。
帰国の途につく機内では、ロイター通信に「日本に帰ることができて幸せ」と述べる一方、共同通信の取材には「地獄だった。拘束後は虐待としか言いようがない状況で、暴力を受けていた」と過酷な生活ぶりを説明した。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181102-00000540-san-soci
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