韓国最高裁による、元徴用工をめぐる異常判決を受けて、日本政府は「日本企業の保護」のため、国際司法裁判所(ICJ)への提訴も辞さな毅然(きぜん)とした姿勢を見せている。日本の立場を世界に発信するため、
河野太郎外相が海外の有力紙などを通じて発信する準備も進めているという。この先、どう隣国と向き合うのか。「ヒゲの隊長」こと佐藤正久外務副大臣(58)に聞いた。
「判決はとても受け入れられず、あり得ない」
佐藤氏はインタビューの冒頭、こう言い切った。至極当然だ。
日韓の請求権問題は、1965年の日韓請求権・経済協力協定で、「完全かつ、最終的に解決済み」である。個人請求権については「韓国の国内問題」であり、100%韓国側の責任で対応すべきなのだ。
このことは、韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権も2005年、「(元徴用工の賠償請求権は)日本が無償供与した3億ドルに『包括的に勘案された』」と認めていた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は当時、大統領府民情首席秘書官だった。
佐藤氏は「文氏が今後、韓国が05年に出した方針をどう整理するかで、日本の対応は変わる。(まず、文氏の対応を見ているが)いつまでも待てない。
今回の判決が、他の元徴用工訴訟にも影響しかねない。文氏が人気取りではなく、国民がいやがる対応(=日韓協定に基づく対応)をとれるかどうかだ」と語った。
異常判決を受け、外務省は元徴用工訴訟の被告となっている日本企業に政府の立場を説明した。佐藤氏は「経済界との間では『賠償はしない』ということで、一致する方向だ」という。
韓国による、慰安婦問題での約束破りや、島根県・竹島への国会議員の上陸に対し、日本は「遺憾だ」と表明するなど、冷静な対応をしてきた。これが韓国を増長させた面もあるのではないか。
佐藤氏は「これまでの日本外交が100点満点だったとは思わない。こちらの意図が、日韓両国の国民に十分伝わっていたかといえば、足らない点もあった。
今後は在外公館を通じ、両国の国民だけではなく、第三国にも『日本の見解』をいち早く伝えることが国益の面で大事になる。幸い、日本の新聞各紙も、今回は『韓国はおかしい』と一致している。外交政策は、日本国民の支持があってこそだ」と語った。
今回の判決に関する対外発信として、河野外相が人権問題に敏感な欧米諸国の有力紙などに、日本の立場を寄稿する準備をしているという。
ただ、「未来志向の日韓関係」という希望は捨てていない。
「問題のある判決には厳しく出るが、韓国は重要な隣国だ。『北朝鮮の核・ミサイルの廃棄』という喫緊の課題を解決するには、両国の連携が必要だ。困難だが、前に進めていきたい」
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181105-00000008-ykf-soci
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