大会も残り4試合、決勝が近づくにつれてピッチが狭く感じる。高レベルの試合でスピード感が増す。パスやドリブルがスピードアップし、判断も素早くなるから、ピッチ全体が小さく感じる。そして、今大会で特に思うのは、大きな選手が目立つということだ。
ベスト4のチームに共通するのは「高さ」が武器になっていること。フランスは爆発的スピードのイメージだが、DFバラン、MFポグバ、FWジルーと中央に190センチ台を並べる。ベルギーもDFコンパニー、MFフェライニ、FWルカクと中央は190センチ台だ。イングランドもクロアチアも190センチ台が活躍する。
今大会はビデオ判定の影響でペナルティーエリア内が「正常化」された。これまでは高さのハンディを(審判に見つからないような)テクニックで克服できたが、今大会はすべて見られる。反則ギリギリの守備は、PKをとられる危険をともなう。正当に高さを防ぐ技術もあるが、純粋な「高さ比べ」の要素は増した。
決勝トーナメント1回戦、日本はベルギーの194センチフェライニ投入で、空中戦の対応に窮した。日本最長身はDF吉田の189センチ。今大会参加国で190センチ以上がいないのは、ペルー、メキシコと日本だけだった。
セットプレーからのゴールが全体の4割と前回大会から倍増し、高さへの依存度が高くない南米勢も早々と敗退した。上位進出のために高さが必須だった。
日本には高身長の選手が少ない。今大会でも187センチで期待されたC大阪のFW杉本は最後に落選した。「190センチ以上なら、バレーボールかバスケットボールをする」という声もあるが、ならば高身長の素材をサッカーに導けばいい。
90年代初め、当時の住友金属(現鹿島)に元ブラジル代表のジーコが入った。正確なキックと抜群の攻撃センス、ただゴール前で合わせるFWがいない。
同社はバスケットボールも強く、元日本代表の岡山恭崇氏がいた。歴代最長身の230センチ。「転向すれば、ジーコのクロスで得点量産」とスタッフは色めきだった。もちろん実現しないが、発想はユニークだった。
日本では「足もとが…」とか「走れないと…」など「高さ」に対してネガティブな考えもある。しかし、それが間違いなのはルカクやマンジュキッチを見れば分かる。
他競技からでも、他国からでも、大型選手を引っ張るべき。本気でW杯優勝を目指すなら、そのくらいの覚悟も必要だ。193センチの大谷翔平、あのスピードとパワーと精神力があれば、世界を代表するストライカーになれると思うのは私だけではないだろう。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180710-00264245-nksports-socc
みんなのコメント