現U-23、U-19世代の選手たちから逸材を選出今回、ロシア・ワールドカップに参加した日本代表は、W杯開幕時の平均年齢が28.3歳と、過去出場した6大会の中で一番平均年齢が高かった。
長谷部誠、本田圭佑が代表引退を表明するなど、自ずと世代交代は進んでいく。ここでは、2022年カタール・ワールドカップで主力となりそうな「若手」選手たちにフォーカスする。
ロシア・ワールドカップで4試合を戦った日本代表において、リオ五輪世代の出場が「0」だったことに注目が集まった。レギュラーの最年少は1992年生まれ、つまり今年2018年で26歳の柴崎岳と昌子源だったわけだが、リオ五輪世代というのはその一つ下の1993年以降に生まれた選手たちだ。
FIFA風のカテゴリーで言えば、「U-25」の選手たちである。正直、今の彼らを「若手」と定義するのは抵抗しかない。リオ五輪世代の遠藤航や大島僚太は25歳、日本風の「学年」で言えば、柴崎や昌子と同い年でもあるのだ。
ここはロシア五輪代表で日本の最年少だった1995年生まれ、つまり「U-23」の中村航輔(23歳)を一つの基準になってもらいつつ、4年後の2022年に23歳以下となる「U-23」世代の選手たちの中から、A代表経験のない選手にフォーカスしてみたい。
その上で今回のロシアにトレーニングパートナーとして帯同したU-19日本代表の選手たちの中からもカタールW杯への有力候補をピックアップ。
ポジションごとに、「U-23」と「U-19」の二つのカテゴリーから一人ずつを選んで紹介する。
※文中選手の年齢は2018年での満年齢【ゴールキーパー】
■「ポスト川島」の有力候補[U-23]
GK 山口 瑠伊(やまぐち・るい エストレマドゥーラ/スペイン)ロシアW杯でNHKのゲストとして登壇、「誰このイケメン?」と思った人も多かったに違いない。FC東京のアカデミー育ちだが、フランス人の父が取り持った縁で16歳からフランスでプレーし、現在はスペイン3部のエストレマドゥーラで技を磨いている逸材だ。
「日本とはGKに対する考え方がまるで違う。何よりシュートを止めることが求められる」(山口)欧州のステージで肉体面での問題も厳しく指摘され、筋力トレーニングに励んで体の厚みも増してきた。欧州における日本人GKという意味でも「ポスト川島」の有力候補だ。
1998年5月28日生まれ、20歳、東京都出身。186cm/73kg
FC WASEDA→FC東京U-15深川→FC東京U-18→FCロリアン/フランス→エストレマドゥーラ/スペイン■J2で先発する東京五輪世代[U-19]
GK 若原 智哉(わかはら・ともや 京都サンガF.C.)Jリーグで完全にレギュラーポジションを奪っている選手が見当たらない東京五輪世代のGK陣だが、この若原は今季明治安田生命J2リーグ5試合に先発フル出場。高卒ルーキーながら存在感を出しているビッグセーバーだ。
かつては年代別日本代表のGKコーチから「何としてもポジションを奪うという姿勢が練習で見えない」と評されるなど精神面の弱さを指摘されることもあったが、昨年京都U-18の主将を務める中でたくましく成長。
練習での姿勢も目に見えて変わったと周囲を驚かせており、まだまだ“伸びしろ”もある注目株だ。
1999年12月28日生まれ19歳、滋賀県出身。185cm/83kg
矢倉FC→京都サンガF.C.U-15→京都サンガF.C.U-18→京都サンガF.C.【センターバック】
■「ポスト吉田」の有力候補[U-23]
冨安健洋(とみやす・たけひろ シントトロイデン/ベルギー)中学時代からアビスパ福岡のアカデミーで育ち、将来を嘱望されてきた。188cmの大きな体はそれだけで才能であり、見かけによらずスピードもある。元々はボランチのため、パス出しや持ち出しでゲームを作れるのも魅力だ。
今年5月のトゥーロン国際大会では3バックのリベロとして高い能力を見せ付けており、「ポスト吉田」の有力候補と言える。ベルギー1部・シントトロイデン移籍初年度の昨季は出遅れたが、クラブの体制も変わった新シーズンでは出番も増えそうで、飛躍が期待される。
1998年11月5日生まれ20歳、福岡県出身。188cm/78kg
三筑キッカーズ→アビスパ福岡U-15→アビスパ福岡U-18→アビスパ福岡→シントトロイデン/ベルギー■J1で出場を続ける18歳のマルチロール[U-19]
菅原由勢(すがわら・ゆきなり 名古屋グランパス)今季のJリーグ前半戦における最大のサプライズだったかもしれない。まだ17歳だった菅原を「上手い選手から順に選ぶ」風間八宏監督がピッチに送り出したのは必然だったのかもしれないが、センターバックという経験の重視されるポジションに起用してしまうのはさすがの胆力である。
そして胆力と言えば、この若者にも抜きん出たものがあるのは間違いない。確かな上手さとサッカーIQ、高い運動能力に類いまれな胆力。CB以外にSBや中盤の各ポジションをこなせるマルチロールでもあり、“4年後”への期待感は十分だ。
2000年6月28日生まれ18歳、愛知県出身。179cm/67kg
ASラランジャ豊川→名古屋グランパスU15 →名古屋グランパスU18→名古屋グランパス(2種登録)【サイドバック】
■ハードワーカーかつ、技量ある“雑草系”[U-23]
小池龍太(こいけ・りゅうた 柏レイソル)高卒でプロ入りを果たせず、アマチュア選手として当時JFLだったレノファ山口へ加入した過去を持つ“雑草系”。そこから1年ごとにカテゴリーを上げ、現在は柏に欠かせぬ右SBにまで成長した。
激しいアップダウンも苦にしないワーカータイプとしても機能できるが、高校2年まで中盤から前のポジションでプレーしてきた選手らしく、しっかりボールが持てて、プレッシャーのかかるポジションからでもパスをさばける技量を持つ。Jリーグでのパフォーマンスを思えば、代表入りはここまで築いてきたキャリアほどの夢物語でもあるまい。
1995年8月29日生まれ23歳、東京都出身。169cm/63kg
松ケ谷FC→横河武蔵野FCジュニア→JFAアカデミー福島→レノファ山口→柏レイソル■スプリンターとしての能力も高い19歳[U-19]
橋岡大樹(はしおか・だいき 浦和レッズ)いとこの陸上選手・橋岡優輝を筆頭として親族がアスリートだらけという家系。スプリンターとしての高い能力を武器に、高卒ルーキーながら早くも浦和のトップチームで輝きを放ちつつある。
対人能力に秀でたストッパーとして評価を得ていた選手ではあるが、SBとしての経験も豊富で、浦和のトップチームではこちらで頭角を現わしてきた。前向きで挑戦的なメンタリティもあり、このまま一気に殻を破ってほしいタレントだ。
1999年5月17日生まれ19歳、埼玉県出身。182cm/73kg
浦和レッズJrユース→浦和レッズユース→浦和レッズ引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180711-00010008-goal-socc
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