「クールジャパン」。日本の文化やポップカルチャーなど、外国人がクール(かっこいい)ととらえる日本の魅力を発信し、日本の経済成長につなげるブランド戦略です。アベノミクスの柱、成長戦略のひとつで、政府は積極的な海外展開を目指しています。
しかし、その推進役として設立された政府と民間による「官民ファンド」のプロジェクトで、損失が膨らみ、投資の失敗ともいえる事例が相次いでいます。
国が85%出資の「クールジャパン機構」で多額の損失
東京・港区の六本木ヒルズ森タワー17階に日本のアニメや食などを海外に売り込むために設立された「クールジャパン(CJ)機構」が入居しています。正式名称は「株式会社 海外需要開拓支援機構」。
この会社は、日本の魅力を事業化するため、民間だけでは事業ができない分野に、政府が出資する目的で2013年11月に設立された官民ファンドです。
これまでに29件、総額620億円の投資を決定し、このうち、国が85%にあたる586億円を出資しています。
こうしたクールジャパン関連のプロジェクトで多額の損失が出ている実態が明らかになりました。
頓挫したマレーシアの日本百貨店
マレーシアの首都、クアラルンプール最大の繁華街にある百貨店「ISETAN the Japan Store」。CJ機構が約9億7000万円(49%)、三越伊勢丹ホールディングスの現地子会社が10億1000万円(51%)を出資して、2016年10月にオープンしました。しかし、現地の物価からかけ離れた価格設定などで苦戦し、売上は目標を下回り、赤字が拡大。こうしたことから2018年6月末でCJ機構が三越伊勢丹側に全株式を売却、三越伊勢丹側が単独で再建を図ることになりました。
オープンからわずか1年半での事実上の撤退、その理由を政府関係者はこう解説します。
「機構が発足した当初は、まず投資の実績をつくることが優先されました。the Japan Storeの案件はCJ機構の社長(当時)と三越伊勢丹の社長(当時)が懇意だったため、三越伊勢丹にお付き合いいただいたのです」
「三越伊勢丹の社長が代わり、プロジェクトに区切りをつけることになりました」株式の売却額は非公表ですが、「投資額を大幅に下回る」といいます。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180713-00010008-fnnprimev-pol
みんなのコメント
映画やゲームやアニメの製作者に一律1割の補助金を出してやればいい。
後は役人は一切口を出さない。それが理想よ。