首位広島に6連敗を喫し、リーグで最も消化試合数が少ない金本阪神までが「自力V消滅」の危機に陥った(7月24日時点)。しかし、この敗退が阪神を「決断」させたようである。
「好投手が出てくると、著しく得点能力が落ちます。フロントは本拠地で負け越していることを懸念しており、現場が求める打線の強化を受け入れる方向です」(在阪記者)
同日は広島の左腕・ジョンソンに苦しめられ、7回途中まで散発5安打に抑え込まれた。最も多く試合をする本拠地・甲子園で、15勝24敗1分けでは、観客動員数に影響してくる。
金本知憲監督(50)は相手の先発がエース級だと、打撃優先の打線で臨むことが多い。その打線が得点を挙げられないのだから、今オフは大胆に選手を補強していく。阪神フロントはそんなな雰囲気になっていた。
「今オフ、国内FA権を取得した選手で去就が注目されているのは、広島の丸(佳浩=29)です。本人は去就についてひと言も発していませんが、こちらはライバル巨人も注目しているともっぱらです」(プロ野球解説者)
昨年オフ、その権利を行使しなかった中田翔(29=日本ハム)もいる。しかし、一連の打線低迷を受け、阪神は「もう一人の大物」の調査も進めていた。西武内野手、浅村栄斗(27)だ。浅村も去就を明確にしていないが、こんな情報も聞かれた。
「大阪府の出身で、大阪桐蔭から西武に入っています。ソフトバンク、オリックスも熱視線を送っています」(前出・在阪記者)
浅村はセカンドを任されているが、内野ならどこでも守れる。昨季も全試合に出場し、2割9分1厘と好成績を残し、今季も3割2厘(5位)と当たっており、66得点はリーグトップだ(同時点)。この右のスラッガーが獲得できるのなら、大きな戦力となる。
「一方で、阪神は矛盾する動きも見せています。故障で戦線を離脱した上本(博紀=32)に対し、残留の下交渉を開始しています」(球界関係者)
上本はシーズン序盤、低迷する打線において唯一爆発し、存在感を見せつけたが、左ヒザを故障してしまった。6月半ばに手術を終えて退院しているが、本格的な練習はまだ再開していない。阪神フロントには昨年オフ、守備の名手・大和をFA流出させてしまった反省もあり、
早々に動き始めたのだろう。上本にフロントの誠意が伝わったとすれば、浅村と上本、セカンドのポジションで重複してしまう。浅村は内野ならどこでも守れる。また、上本も外野守備の練習に加わったこともあり、両方をスタメンで使おうと思えばいくらでもその方法はある。
「糸原、北條、大山。金本監督が育てたいとする若手の内野手がいます。4番を任せている陽川は守備に難があり、今は無理をして三塁を守らせていますが、本来なら、一塁か外野で固定したいと思っています」(前出・プロ野球解説者)
福留孝介は来季42歳になる。糸井嘉男も7月31日に37歳の誕生日を迎える。3年以上先のことも考えれば、ポジションの重複は一時的なことなのかもしれない。近年、阪神は外国人選手の補強が巧くいっていない。同じ補強ならば、国内FAにシフトしたほうが得策かもしれない。
「国内FAで浅村を獲りにいくとなれば、厳しい立場に置かれるのは鳥谷と西岡。鳥谷は打撃不振とはいえ、『まだできる』というのが、OBたちの一致した意見です」(前出・同)
ジョンソンに抑え込まれた24日、何人かの阪神OBは「右方向への打撃を意識しすぎたのか、全員おかしな振り方をしていた」という趣旨のコメントを出していた。
好投手からは長打は出にくい。コンパクトスイングで右方向を狙う作戦は間違っていないが、その意識が強すぎて選手が萎縮してしまうのは良くない。金本監督はどういう指示の出し方をしたのか…。補強の是非を検討する前に、鳥谷を始め、現有戦力を活かす方法も考えるべきではないだろうか。
(スポーツライター・飯山満)。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180725-00000014-reallive-spo
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お前ら金本続投の後に優勝して手のひら返してそう。