日銀の金融政策の一部修正は、アベノミクスの柱となる金融緩和継続を求める首相官邸と歩調を合わせたものだ。
副作用に目配りしつつ、長期戦への決意を明確にした日銀の決定を、政府は歓迎している。ただ、2%の物価上昇目標達成への懐疑論は一層強まりかねない。与野党には出口の見えない状況への懸念も出ている。
「このタイミングしかない。日銀はうまくやった」。官邸幹部は、9月に自民党総裁選を控えたこの時期の決断を高く評価。利上げについては「まだだ」と述べ、早期の出口戦略論を打ち消した。政府関係者は日銀の決定直前に「基本は現状維持だ」との見通しを示していた。
安倍晋三首相は、日銀の黒田東彦総裁の手腕に全幅の信頼を寄せている。菅義偉官房長官は7月31日の記者会見で、日銀の決定を「金融緩和の持続性を強化するものだ」と評価した。
ただ、景気の先行きの不透明感は強いままだ。政府内からでさえ、「2%の物価上昇は本当に達成できるのか」との声が漏れ、デフレ脱却への道筋は見えていない。自民党には、超低金利が金融機関の収益悪化につながっているとの根強い懸念もある。
野党は政策修正を「アベノミクスの失敗を認めたということだ」(立憲民主党幹部)として、政府・日銀を追及する構え。国民民主党の玉木雄一郎共同代表は「日銀が何をしたいのかよく分からないような非常に混乱した政策に陥っている」と批判した。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180801-00000083-jij-pol
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