◇セ・リーグ 阪神5―8中日(2018年8月1日 ナゴヤD)
完敗だった。拙攻、走塁ミス、投壊……。阪神は目を覆いたくなるような惨敗で、8月以降では2年ぶりとなる単独最下位に転落。
自力優勝の可能性も消滅した。それでも、敗戦後の金本監督は努めて冷静に敗因を挙げた。
「3回の攻撃が、すべてじゃないですか。(ミスが出たのは)集中力を欠いているわけではないでしょうけどね。負の流れというか、そういうのに飲まれている気がしますね。まあ、そういうところをわれわれが何とかしないといけないんだけど」
勝敗を分けたのは2点を追う3回の攻撃だった。中日先発・松坂を攻め1点を返し、なおも無死二、三塁。最低でも同点、うまくいけば逆転の好機をつくり出したが、ロサリオは不甲斐ない二飛。この一打で一気にムードが沈んだ。梅野の四球で1死満塁としたが才木、糸原が連続三振に倒れ、試合の流れを手放した。結果的には松坂に2つ目の白星を献上。試合後のロサリオは「いつもチームに貢献したい気持ちはある。続けていくしかない」と言葉を絞り出すしかなかった。
走塁ミスも出た。4回1死一塁。走者のナバーロが、福留の左翼方向への飛球(記録は左飛)の打球判断を誤り三塁まで到達した結果、併殺となった。
「アウトカウントは頭に入っていた。一気に本塁まで還ってやろうと思って……。自分の判断ミス」。打っても2回2死満塁で凡退しており「攻」「走」で精彩を欠いた。
助っ人2人の拙攻と走塁ミスが、投壊にもつながった。才木は直後の4回、高橋にこの日2本目のソロを浴びた。6回には望月が無死満塁のピンチを招き後を受けた岩崎も耐えきれず、この回4失点。
今季を象徴する、投打の歯車がかみ合わない試合となった。借金は今季最悪となる8まで膨らんだが、下を向いていても仕方がない。
「(選手も)もちろん奮起してくれるでしょう。悔しい思いを出していかないといけない。今日の能見がいい例。意地というか、あの点差でも自ら行ってくれるという。何かアピールしたかったんじゃないですか。メッセージというか」
指揮官の思いを代弁するかのように、勝ちパターンの能見が志願登板。その背中が頼もしかった。消滅した自力優勝の可能性は、復活させることができる。
首位広島とのゲーム差も13まで開いたが、08年にリーグ優勝を果たした巨人は同じ13差から逆転劇を演じた。金本監督は「(今の順位は)関係ない。あと何試合、残っているの」と残り56試合に活路を見いだすべく、前を向いた。(惟任 貴信)
≪金本監督1年目以来の8月以降最下位≫阪神は中日に敗れ、6月25日以来の単独最下位に転落した。8月以降では、金本監督1年目の16年9月18日以来。
また、今季の自力優勝の可能性が消滅した。阪神が残り56試合に全勝しても最終勝率・669で、広島が阪神との残り11試合以外に全勝した場合の勝率・676を上回れなくなったため。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180802-00000066-spnannex-base
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