「元暴力団の人間にね、脅迫されて、そのまま生きていくんやったら腹切って自殺する!」――。日本ボクシング連盟のドンは4日、大阪市生野区の自宅前に集まった約10人の記者らに、こう言い放った。
山根明終身会長(78)は3日のテレビ生出演以降、告発を受けた疑惑の数々について一貫して否定し続けている。日刊ゲンダイの記者が、ヤクザとの交友や今後の進退について、山根会長を直撃した。
この日の大阪市の最高気温は36.3度。会長宅へ移動するため乗った近鉄大阪線の車内には、浴衣姿の若い男女が目立った。折しも「第30回なにわ淀川花火大会」の当日。むつみ合うカップルを横目に、会長宅の最寄り駅で下車した。
駅から徒歩5分ほどの会長宅は、3階建てで、レンガ造りの瀟洒な建物。玄関前の駐車スペースには、グレーメタリックの高級車「センチュリー」が止められ、所々に観葉植物が配置されていた。
玄関ドアの横に掲げられた縦40センチ、横30センチほどの銀色のイカツイ表札には、「一般社団法人日本ボクシング連盟 終身会長 山根明」の文字が。
午後4時過ぎ、インターホンを押したが反応ナシ。約1時間半後、「ガチャッ」と音を立て玄関ドアが開くと、ジャージー姿の“付き人”1人と、身長180センチ超のガタイのいいスーツ姿のボディーガードらしき男性1人を伴って、山根会長が現れた。
白いハットに金縁サングラス、胸元に日の丸の代表ジャージーといういでたちは迫力満点。本紙記者が駆け寄ると、「散髪に行くんや。時間ないねん」と面倒くさそうながら、約100メートル離れた近所の理髪店に向かう途中で取材に応じた。
まず、山根会長が「脅迫された」と主張する山口組系暴力団「森田組」(07年に解散)の元組長との関係を聞くと、
「もともとは友人関係。古くからお付き合いがあった」と認めたが、その人物の舎弟だったかについては、本紙記者を指さしながら
「新聞に書いてある通りやさかい!」と突然激高。「僕は(自分の過去を)正々堂々と暴露してんやさかい」と声高にまくし立てた後、店内へ入っていった。
約40分の散髪を終えて、サッパリした様子の山根会長を再び直撃。進退を尋ねると、「(辞任するつもりは)ありません!」と語気を荒らげた。
■告発者は「組織のクズ」
今週にも予定されている告発の「第2弾」については、時折、サングラス越しに鋭い眼光で日刊ゲンダイ記者をニラみつけながらこう答えた。
「第2弾だか、3弾だか、やったらエエ。(告発している)組織自体が、社会的に認めてもらってないんや! ある一部の人間が面白半分でやってることですよ」
酷暑の中、山根会長は汗ひとつかかず、約20分にわたって記者の質問に答えた。
告発に関わった元側近や県連会長らを名指しして、「元暴力団の集まり」「前科モンの組織」などとコキ下ろし、「最初から相手していない」とボルテージ全開で、こう息巻いた。
「(告発者の中には)理事会で『会長、こういうふうにして欲しいんです』『会長、こういうとこ変えて欲しいんです』と言える立場の人間がおるんやさかい。(告発者は)元暴力団と組んでやっとるね。そういう組織のクズ、アリやねん!」
山根会長は終始一貫、トンデモない組織から言いがかりをつけられた被害者気取り。今後も徹底抗戦の構えで、さながら「リアル仁義なき戦い」の様相だ。
逃げも隠れもしないハラキリ覚悟の“カリスマ”でも、会長のイスに恋々としがみついていると、男を下げやしないか。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180806-00000016-nkgendai-spo
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