やるとは思っていたが、ついに始まった。5日までの楽天3連戦(楽天生命パーク)。日本ハムからトレード移籍したロッテ・岡大海外野手(27)はゴムチューブで両方の二の腕をしばり、体の自由を奪われたまま、打撃練習を行っていた。
「シーズンとは別として、取り組んでほしいと考えています」
井口監督はそう、意図を語った。即効性はなくとも、才能の開眼への手助けになればとの考えなのだろう。取り組んでいたのはそう金森打撃コーチの唱える「金森理論」だ。
腕が伸びきったところで打つことが、一番、ボールに力を伝えやすいとされてきた。だが、同理論は可能な限り捕手側へボールを引きつけ、体の軸をコマのように回転して生まれる遠心力ではじき返す。「ボディーターン」と呪文のように刷り込まれ、ひたすら同じ動きを繰り返した。
なぜ、予測していたかと言えば、岡の打撃スタイルは「金森理論」とは真逆だからだ。ずいぶん、体の前でさばくタイプの打者だとの印象があった。8月1日の日本ハム戦(帯広)で放った移籍後初安打となる左前打の写真を見ると、踏み出した左足のつま先のさらに20センチほど先でボールをつかまえていた。
岡は2016年に41試合ながら打率は・374を記録し、定位置獲得を期待された。だが、昨季は60試合で打率・169。身体能力はチームで1、2を争うことは誰もが認める。一方、ムラの多さはもろ刃の剣だった。この打法は体の近くまでボールを引きつけることで、球を見極めやすくなる利点もある。
「正反対」の取り組みは眠れる才能を開花させるのではないかと、密かに期待している。「お世話になった方に感謝し、走攻守すべてでアピールしたい」。初めて取材した入団会見で語った通り、まだ見ぬ能力をこの目で見てみたいと思う。(記者コラム・福浦 健太郎)
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180811-00000069-spnannex-base
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