都内で昨年3月、貧困家庭の子どもに無料で食事を提供する「こども食堂」を始めました。私が経営する鉄板焼き店で、スタッフが2か月に1回くらい週末に開催し、お好み焼きやサイコロステーキなどをふるまっています。普段はなかなか外食できない子が「笑顔で食べていた」と聞くと、うれしいですね。
育児ノイローゼの母親が、誰にも助けを求められないまま子どもを虐待したり、食事を与えずに子どもが衰弱死したり……。そんな悲しいニュースに接するたびに、何かできないかと思っていました。
私が育った家庭も豊かではありませんでした。自宅は大阪の下町の市営団地。電気やガスが止められることも度々ありました。缶詰のツナと白菜をすき焼き風に調理したおかずが、晩ご飯のごちそうでした。
苦労はしましたが、温かい近所づきあいがあったので、不幸ではなかったです。作りすぎたサツマイモの天ぷらを持って来てくれたおばちゃんをはじめ、たくさんの大人に出会えたことが、今の自分を作っていると思います。
向かい合って、おいしいものを一緒に食べると、楽しい気持ちになれます。こども食堂を、複雑な家庭の事情を抱える子どもや大人が気軽に参加できる場にしたいですね。こども食堂を増やすために、運営や寄付集めの仕組み作りが進むことを願っています。
(粂文野)
はるな・あい
タレント。1972年生まれ。大阪府出身。2009年にニューハーフの世界コンテスト「ミス・インターナショナル・クイーン」で優勝。バラエティー番組などで活躍中。引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180815-00010000-yomidr-soci
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