30人増…空前の“無所属ブーム”
今年に入って、国会で“異様”ともいえる光景が繰り広げられている。テレビ中継もなく、首相も出席しない委員会審議で、元副総理ら閣僚経験者の大物、さらに前首相までもが質問に立っているのだ。
時には、議事進行に異議を唱えるため、中堅議員らに混じって委員長席に詰め寄る場面も見られた。本来なら中堅若手の役割を大物が担う異変が起きている理由は、野党の“大御所議員”が今、政党に所属せず無所属であるためだ。
現在、政党籍をもたない国会議員は衆参あわせて、約50人もいる。
そう、国会は今、空前の“無所属ブーム”なのだ。しかも、通常国会という、国民生活に直結する予算案や重要法案を審議する「政治の季節」の最中に、所属する政党を離党し、新たに無所属となった議員の数は、実に30人近くにのぼった。いずれも野党の議員だ。
「政党政治」が定着している現代において、“異常”ともいえる現象はなぜ起きているのだろうか。
その背景を読み解くことで、野党の現状と今後が見えてくる。無所属でいる理由と新たな動き
無所属の議員たちには、去年の衆院選で希望の党から“排除”された議員、選挙区の事情からあえて無所属での出馬を選択した議員、今年5月に希望の党が分党する際に国民民主党に移行しなかった議員など、それぞれの事情がある。しかし、ここまで無所属議員が増えている理由は何なのだろうか。
多くの議員は、「立憲民主党にも国民民主党にも政権交代の実現性を感じられないからだ」と口をそろえる。“自民党に代わって政権を担える党を作りたいから無所属でいる”。
一見すると矛盾する論理だが、いずれかの政党に「何となく」所属するのではなく、あえて自由な立場から政権交代可能な勢力の結集を図ろうというのである。そのため彼らは野党各党と一定の距離を保ちつつ、野党結集の機会をにらんで息をひそめきた。
しかしここにきて、2つの新たな動きが浮上している。野党のかけ橋を目指す“大御所集団”
冒頭に記した、大物ながらも自ら国会質問に立っている議員の多くは、岡田克也元副総理が代表を務め、野田佳彦前首相らが所属している国会内の会派(=グループ)、「無所属の会」の面々だ。「無所属の会」は、去年の衆院選で希望の党から排除されたり、自らの判断で参加を見送ったりした議員ら13人で構成されている。
旧民主党・民進党の幹部が多いが、新たに「田中角栄元首相の最後の愛弟子」として知られる中村喜四郎元建設相も加わるなど、いわば「大御所集団」だ。
一方で、若手議員は少ないため、大御所自ら国会質問や、委員会運営に当たらざるを得ず、“珍事”が起きているのだ。
無所属の会の面々は、あえて無所属を貫き、野党の“かけ橋”役を目指しているのだが、その理由は、来年の統一地方選や参院選での野党候補の協力、
一本化が急務だと感じているからだ。
会派内からは、立憲民主党と国民民主党の参院選に向けた対応について「候補者擁立を甘く見ている」との厳しい指摘があがっている。危機感を募らせる岡田氏(三重選出)や野田氏(千葉選出)、安住淳元財務相(宮城選出)、江田憲司元維新の党代表(神奈川選出)らはそれぞれの地元で“地域政党”としての政治団体などを立ち上げ、まずは各県内での候補者調整と野党連携を図っている。
こうした地方発の動きを、中央政界での野党連携に結びつけたい考えだが、肝心の立憲民主党と国民民主党の溝は深まる一方で、“かけ橋”としての役割は未だ十分に発揮できていない。
また、「無所属の会」議員それぞれの本音を探ると、「立憲民主党と統一会派を組むべきだ」「立憲民主党への入党を検討している」「無所属の会が立憲民主に偏るなら、国民民主党に行く」など、バラバラだ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180903-00010000-fnnprimev-pol
みんなのコメント
“自民党に代わって政権を担える党を作りたいから無所属でいる”と言ったって、自民党も含めて国会議員全体が劣化しているように思います。先だっての障害者雇用の問題でも解るように、官僚たちは障害者にも冷たい冷血人間です。
年金の問題でも、自分たちの年金は守りつつ、国民の年金を好きなように使ったり、悪知恵だけは働く税金泥棒達です。東大や早稲田を出て、頭だけは良いのですから始末が悪い。日本の官僚が優秀だったのは、遠い昔の事なのではないでしょうか?この連中を使いこなせる本物の政治家の出現を待ちます。