認知症の人の「徘徊(はいかい)」を「ひとり歩き」などと言い換える自治体の動きが広がっている。認知症に対する誤解や偏見を招く恐れがあることや、本人や家族に配慮したため。

ただ、認知症の行方不明者は増え続けており、事故につながりかねない急を要するニュアンスが定着しているとして、言い換えを躊躇(ちゅうちょ)する自治体も少なくない。

広辞苑によると、徘徊は「どこともなく歩きまわること。ぶらつくこと」。

鳥取市は7月、原則的に公文書で使用しないことを決めた。市の保健師が昨年、「認知症の人には散歩や買い物など外出の目的があり、記憶違いで迷ってしまうだけ。徘徊では意味が違うし、誤解や偏見を招く」と問題提起。検討の結果、「ひとり歩き」などに改めた。

言い換えは、福祉や医療現場で本人や家族とのやりとりなどでは浸透しつつあるといい、自治体では2015年度に始めた福岡県大牟田市が先駆けとされる。

同市は本人らに配慮し、「安心して徘徊できるまち」のスローガンを「安心して外出できるまち」に変更。同年度に兵庫県が続き、16年度に東京都国立市、鳥取県米子市、

18年度に愛知県大府(おおぶ)市、兵庫県川西市が使用をやめ、「外出中に行方不明になる」「ひとり歩きで道に迷う」などと言い換えている。

「認知症とともに歩む本人の会」の佐藤雅彦代表(64)(埼玉県川口市)は、「認知症の人を何もできない別世界の人と見下す言葉。当事者や家族が認知症を受け入れにくくなる一因だ」とし、言い換えを歓迎する。

一方、警察庁によると、17年に全国の警察に届け出のあった認知症の行方不明者は1万5863人で、5年前の1・7倍に増えた。

青森県十和田市は、認知症の行方不明者の早期発見・保護対策の事業名に「徘徊」を使い、チラシで周知する。

市では「散歩」や「ひとり歩き」も検討したが、担当者は「『徘徊』の方が行方不明だと市民に緊急性が伝わる」と説明。

北信越のある市の担当者は、「『ひとり歩き』では、本人の状況を軽くとらえている感じで、かえって危険にさらすことになるのでは」と懸念する。

厚生労働省は04年、「痴呆(ちほう)」を侮蔑(ぶべつ)的だと公募などを通じて「認知症」に変更した。「徘徊」の変更予定はないが、同省は近年、文書や口頭で「ひとり歩き」を使っており、「自治体などの動きを注視している」(認知症施策推進室)という。

「徘徊」について、国立国語研究所(東京)の石黒圭教授は「実際に使う際は相手を下に見る侮蔑的なニュアンスがあり、言い換えは社会的必然性がある」と指摘し、「『ひとり歩き』は当事者の心を痛めない言葉だ」と支持する。

著書「声に出して読みたい日本語」で知られる明治大の斎藤孝教授は「現象をうまく想起させるが、マイナスのイメージもあり、さまよい歩く場合のみに限定しては。『迷道高齢者』といった造語もありうる」と提案する。


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ネットの反応

1.
障害が→障がいとかも同じ発想?結局イメージ定着したらまた変えたくなるんじゃないのかな。問題はそこじゃ無いし、コロコロ変えるより介護医療用語として国内共通に決めとけば?
2.
「お迎え探し」
3.
徘徊でいいだろ
4.
迷った段階でもう「ひとり歩き」って状態じゃない気がする
「徘徊」って言葉を使いたくなくて記憶違いで迷ってしまってるなら
その人の前では「迷い人」的な表現したの方がいいのかな
言葉狩りですでに周知されたその状態がぼやけてしまうから
役所が使うのは周知されてる「徘徊」でいいと思うけどね
5.
介護士をしてるけど所詮、徘徊は徘徊
6.
一番分かり易い言い方だが、「徘徊」嫌なら使わなければいいだけでは? 「出歩き」「一人歩き」「散策」「行先不明」「戻らず」「神隠し」どれも意味合いがいまいちで面倒くさいが、該当者の望む言い方すればいい。
7.
現在高齢者のグループホームに勤めている者です。
個人的な見解ですが、この手の問題で最も重要ななことは第三者にもその方の症状や状況が伝わりやすい言葉を使うことだと思います。
今回の案件に関しては痴呆症から認知症と呼び方を変えた時とは意味合いが違うような気がします。一人歩きだと徘徊というより散歩の方がニュアンスが近いような気がするのですが。
8.
徘徊→ひとり歩き??
ことの本質を分かりにくくする、あるいは見誤らせるような言い換えには賛成できません。
9.
「うちのじいちゃんが朝から独り歩きしています」
健康的でいいじゃないですか。ただし誰も助けてくれないわ。
10.
徘徊のどこがいけないのか理解できない。誤解や偏見を招いてどんな被害があったのだろう。一人歩きなんて気楽そうで実際に介護している人に怒られるぞ。言葉なんて細かいことにこだわるよりもっとやることがあるんじゃないの?
11.
介護士です。
徘徊に差別的な意味合いがあるとは、初めて知りました。
この言葉は、認知症の方の行動そのものに使っていますが・・
どんな心地よい言葉に替えても、差別的侮蔑的な人が使えば
同じになります。
12.
素朴な疑問ですけれど、(歩いてじゃなく)車でひとり歩きしていた認知症の人もいるのでしょうか。
13.
「徘徊」は「ひとり歩き」ではない。
もともと別の意味の言葉に置き換えると問題がある。
というより言い換える意味がほとんどない。
そういう無駄な議論に時間を使う必要はない。
14.
言葉を言い換えるだけのことに何の意味があるというのだ。
そんな事に労力を使わず、認知症対策に力をいれて欲しい。
15.
ひとり歩きじゃお散歩っぽいよね。
もうすこし危機感を持てる表現はないものか


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16.
「未成年者の深夜徘徊」という言葉をよく聞きますけど、これに相手を下に見る侮蔑的なニュアンスがあるとは思えません

認知症の人は数分の目的地まで行き方が分からなくなり、数十分、数時間歩き回っている場合が多いです

徘徊という言葉に侮蔑的なニュアンスを感じる人は、認知症の人を見下している潜在意識があるので、まずは自覚することから始めましょう

17.
相変わらずくだらない言葉遊び
18.
言葉を変えてなんになる?ボケ老人にそこまで優しくする必要あるの?
ゴミの分別だって出来ない。道端に生ゴミを捨てる。コンロの火を消さない。そんなのやってやるなんて、本当にうんざりだ。
19.
徘徊は徘徊
そんなもんに気を使う必要なし
枯葉マークも一緒
年寄りの権力者に
ヘコヘコすんのが公務員の仕事なの?
20.
痴呆症が認知症に置き換えられて、結局”認知症”でも「バカにしているのか」って言い出す人が増えているわけでね。
何に置き換えたってその単語の示す内容がソレなんだから置き換える意味なんて無いよ。徘徊という単語の意味通りの行動をしているのだから徘徊と呼ぶことに何の問題があるのか。
21.
個人的には、一時期でも「安心して徘徊できる町」がスローガンとして使われていたことに驚きました。言葉の使い方は難しい問題ですね。
言い回しを変えても変えなくても、何より重要なのは認知症を抱えた方とその御家族との相互理解が進むことだと思います。
22.
あまり言葉にこだわり過ぎない方が良い。
徘徊がひとり歩きになって多少の気持ちは変わるかもしれないが、それより認知が拡がりづらくなるデメリットの方が大きいと思う。

ボケは認知症に。これは良かったと思う。
わかりやすい。
しかし「ひとり歩き」は認知症に伴う問題行動であることが伝わらず、不便だと思う。

23.
そんなん考えてる暇があったら
認知症の患者とその家族のケアが
ちゃんと出来るように対策をとれ
24.
記憶の無くなる人の徘徊は決して独り歩きでは無い
緊急性のある徘徊で良い
25.
「ひとり歩き」って言葉、現代では比喩的に使われてるよね。
26.
「ひとり歩き」なら大人なら誰でもしてるだろう。
変な表現にして本来の意味が通じなくなっては本末転倒もいいところ。

障害者の漢字表現にしてもそうだけど、過敏になりすぎ。

27.
ひとり歩きの言葉のイメージと徘徊の危険性とは全く違う。徘徊のリスクを理解しないと、自冶体は言葉の問題でなく事にあたってもらいたい。
28.
徘徊は徘徊でよくね。

認知症とかいう表現もどうかと思うわ。 普通にボケ老人の方が事の重大さが伝わる(´・ω・`)

29.
「障害者」→「障碍者」や「徘徊」→「ひとり歩き」「痴呆」→「認知症」等、表記の仕方等で問題視しているのは当事者でなく、支援者側の都合だと感じる事がある。
なんか、「私ってそういうところに配慮しているんだよ。偉いでしょ?」的な…。障碍者の標記の件はともかくとして、緊急性の高い時などは「認知症の方がひとり歩きでいなくなった」より、「痴呆老人が徘徊でいなくなった」の方が受け手として緊急性や切迫性を感じると思う。

確かに、尊厳や人権は何事にも代えられないかけがえのないものではあるが、「命」あってこそ、「ひとり歩き」なら自分で帰ってくるだろうという印象を与えてしまうぐらいならいっそ…。

時と状況により使い分けれるような体制や指導が必要なのでは?

30.
徘徊じゃ駄目だとしても
ひとり歩きじゃ・・・・
誰にでも当てはまるじゃん・・・
ボケ歩きとか何でも良いから
もっと解りやすい言い方で良いかと・・


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