ロシアW杯で2大会ぶり3度目の16強入りを果たしたサッカー日本代表は5日、成田空港に帰国した。
帰国会見で契約満了による退任が明らかになった西野朗監督(63)は、2022年カタール大会での史上初の8強へ東京五輪世代に期待を込めた。代表引退を表明していたMF長谷部誠(34)は、主将として最後の公式な場となる会見に同席し「99%の満足感と1%の後悔」とサムライブルーの12年間を振り返った。
壇上の中心に座った西野監督はスッキリとした表情で「この任を受けた瞬間からW杯終了までという気持ちでやってきた。任期を全うしたという気持ち」と4月9日の就任から怒とうの87日間を振り返った。
バヒド・ハリルホジッチ前監督(66)の解任により、技術委員長から就任。W杯本番まで2か月。就任会見で「最高の化学反応を起こしたい」と語ったが、5月21日の国内合宿初日では「このチーム力では、ロシアで戦えないと思った」と明かした。
わずかな準備期間で植え付けたのは、一体感だ。「選手の能力は高いので、何かを足していければ」と厳しい管理体制だった前任者とは違い、対話を重視。積極的に選手から意見を募り、選手だけのミーティングも許可した。
抑圧されていたチームには活気が戻り、一体感が生まれた。迎えた初戦のコロンビア戦。アジア勢で初めて南米勢を下す“サランスクの奇跡”を演じ、2大会ぶりの16強で下馬評を覆した。
今大会は準備期間が短く、MF本田圭佑(32)=パチューカ=やFW岡崎慎司(32)=レスター=らベテランの経験に頼る部分が大きかった。決勝T1回戦でベルギーに敗れた直後「何が足りないんでしょうか」とつぶやいたが、昨年には技術委員長としてU―20W杯(韓国)、U―17W杯(インド)を視察。
東京五輪世代には大きな可能性を感じている。「下のカテゴリーは、世界と渡り合える。U―20代表には海外でプレーしている選手もいるし(A代表と)融合しないといけない」とMF堂安律(20)=フローニンゲン=やFW久保建英(17)=F東京=らと現有戦力の融合が、8強の壁を打ち破るカギだと強調した。
96年アトランタ五輪でブラジルを下した“マイアミの奇跡”から22年。契約は7月末で満了となるが、日本サッカー界に再び奇跡を起こした指揮官の功績は計り知れない。「次のW杯への1ページ、半ページくらいになったかな。
8年周期でベスト16にトライしているが、このスパンではダメ。カタール大会では間違いなく16強を突破できる」。55分間の会見を締め、重圧から解放されたように大きく息を吐き、会見場を後にした。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180706-00000064-sph-socc
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