果たして、貴乃花親方(46)=元横綱、本名・花田光司=に日本相撲協会残留の道はあったのだろうか。協会は1日、都内の両国国技館で臨時理事会を開き、貴乃花親方の退職届を受理した。弟子らの千賀ノ浦部屋移籍を承認し、貴乃花部屋は事実上消滅したといえる。
協会の八角理事長(55)=元横綱北勝海=も会見。7月の理事会で全ての親方に5系統ある一門(高砂、二所ノ関、出羽海、時津風、伊勢ケ浜)のいずれかへの合流が義務づけられ、貴乃花親方が孤立を深めた経緯について、
「私は、どこにも決まらなければ、貴乃花親方を(八角親方が所属する)高砂一門で引き受けることを、一門のみんなと話し合うつもりでした」と初めて明かした。
この部分だけを聞けば、八角理事長は救いの手を差し伸べていて、かたくなに応じない貴乃花が大人げないようだが、コトはそれほど単純ではなさそうだ。
八角理事長はあくまで「引き受けることを一門のみんなと話し合うつもり」だったと言っているだけで、「引き受けるつもりだった」とは言っていない。
理事長は「私の一門だけではなくて、二所ノ関一門、出羽海一門、すべての一門が、貴乃花親方を引き受けることを協議しようと考えていたと思います」とも語ったが、これも同様。
実際には5つの一門はどこに行っても、強行な“アンチ貴乃花”が存在し、受け入れはどう見ても困難だ。特に二所ノ関一門は、かつて貴乃花親方が所属し、
2010年の理事選に一門の方針に逆らって出馬し当選したことから、“破門”扱いになっている。同一門の親方衆との確執は根深く、とても受け入れる決議が行われるとは思えない。貴乃花親方にとっても受け入れ難い。
八角理事長は「貴乃花親方の知人の方にも、各一門が門戸をあけていることは伝えました」、「貴乃花親方から、結局、連絡がないまま、きょうを迎えたことは、残念に思っております」
とあくまで協会側から歩み寄ろうと努めていたことを強調したが、ハナから貴乃花親方には受け入れがたいプランで“後付け”に聞こえる。
いかなる理由があっても、貴乃花親方が弟子を放って退職したことには責任感を問う声もあり、協会内に味方を増やせなかったのも限界といえるが、親方が協会に残留する余地は狭められていた。
ただ八角理事長は、セカンドキャリアで「貴乃花」のしこ名を使用することについて「問題ないと思います」と明言。
約1000万円の退職金も支払われる見込みとなった。この2点が協会側のせめてもの“武士の情”といえようか。(夕刊フジ編集委員・久保武司)
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181003-00000014-ykf-spo
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